テーマ:あじさい #212
「あじさいってハイドレンジアっていうんだってよ」
妹が自慢げに言った。
あじさいがハイドレンジアっていうことは知っていた。
でも妹はまだ小学高低学年。
「へ〜! 知らなかった! ものしりだね〜」
私がそう言って頭を撫でると嬉しそうに胸を張る。
いい嘘だってある。
それは嘘じゃない。
思いやりとか、気遣いというのかもしれない。
テーマ:好き嫌い #211
人間好き嫌いがなくなればいいのになと思う。
それは何に対しても。
食べ物やスポーツ、勉強はもちろん。
人間関係もだ。
好き嫌いがなければ誰とでも仲良くできる。
好き嫌いがなければいじめなんて起こらない。
好き嫌いがなければ恨んだり、恨まれたりしない。
でも、
好き嫌いがないことで世界は平和になれるのだろうか。
文明は発達するだろうか。
それは未知の世界である。
誰にもわからない。
大きくどこまでも続く広い海のように。
テーマ:街 #210
街中で彼にあった。
隣には知らない女の子。
もう新しい彼女をつくったのね。
そう思いながら遠目で二人を見る。
もう会いたくない、
見たくないと思っていた相手だったのに目が離せない。
その時気づいた。
胸の奥のモヤモヤと
下唇を切れるほど強く噛み締めていたこと。
その時知った。
あぁ、私嫉妬しているんだって。
テーマ:やりたいこと #209
やりたいことは数え切れないほどある。
でも時間が足りない。
1日が24時間以上あればなぁ、と思うけど。
長すぎると仕事する時間も長くなるか……。
それはなぁ……。
テーマ:朝日の温もり #208
目が覚めると、まだ夜が明けていなかった。
部屋の中は暗く、まだ光がさす感じもしなかった。
時計を見ると4時を示していた。
まだ寝るかな…。
私はそう思って目を閉じた。
朝日の温もりを感じて目を開けた。
カーテンの隙間から光が漏れていた。
今日も一日が始まる。