「星のかけら」
星のかけらってどんなだろう
私が思うに
形は道端で見かける石ころのようだけど
中心から強いエネルギーを持った光を放っていて
シャーベットのように冷たい
目立ちそうだけど見つけられる人は限られている
持っているとたまに不思議なことが起き
かけらは他の惑星へのワープキーになっていて
半日だけ異星人たちの暮らしに触れることになる
月から地球を眺め
火星では今とさほど変わらない暮らしをし
木星の地中基地を案内され
土星のリングでスケートをする
それもいいけれど私は
同じ星のかけらを拾った二人が
そのかけらを大切に持ち続け
かけらが放つ光のように自らの心のエネルギーを燃やせば
夢を追う中で同じ熱量の人と惹かれ合い
かけらを持っていたことに微笑み合う
かけらを見つけた先に
そんな素敵な出来事が待っていてくれると
とても嬉しい
追い風
君は追い風を感じたことがあるか
私はないような気がして
「追い風」の意味を改めて調べてみた
後押しとなる出来事のことを言うらしい
追い風を吹かしてくれそうな人ならたくさん見た
だけど口だけだ
だいたいの人は他人に追い風を吹かしてあげられるほどの
余裕は持ちあわせていない
いつだって逆風に立ち向かっている気がする
でもいつか追い風が吹いたとき
ものすごい勢いで
自分の目指す場所へと進めるんだと
思ってみることにする
私は約束を破った。
でも、君も約束を破った。
君は約束の場所に来なかった。
私は君と行くと約束したのに、一人でその場所に行った。
君が来なかった理由。
それを聴けるなら聴きたい、と思った日もあった。
特に君と会えなかったその日から一週間くらいは
理由を教えてよ、と少し怒った気分の日もあった。
でも少し気持ちが落ち着いてきたとき
君が聴いている歌を聴いて
ゆっくり静かに、私は君の苦しみと優しさを知った。
連絡が途絶えたあの日
君は喜びと寂しさの両方を抱えていたんだね。
試験に合格して、夢へまた一歩踏み出しためでたい日
だけど今よりもっと、私たちの距離が離れると分かった日
自分のことを一番大切にするべき
だけど愛おしい人に対しては
自分ことを二の次にしてもいいと思ってしまう
お互いにとっての最善は何か、
とても悩んだのだろう。
その間私は静かに待っていた。
待っていたら約束の日が来て
キャンセルもしたくなくて
奇跡を信じたかった。
もしかしたら約束の場所に行けば会えるかも、と。
結果的に君は来なかった。
少し体の力が抜けてしまい、自分を嘲笑した。
せめて長旅の記念を、と
デートするはずだった場所を一人、観光した。
でも考えてみて。
二人で行くと約束した場所に、私は一人、
先に行ってしまったの。
君が二人のことでとても深く悩んでいるというのにね。
デートなんて延期したらよかった。
たとえ遠距離で近距離の人よりデートの機会が少なくても。
二人で決めたプランを置き去りにしちゃダメ。
君は、一人で駆けていく私の手を離して見送ったんだ。
君はめったに「好き」と言わなかった。
それはなぜかと私は聴いたことがあった。
「好き」という言葉は、無責任に言うべきではないと。
「好き」だと言わない君は本当に優しい。
言われると応えなくてはいけなくなる
言われると寂しさが募る
それを君は分かっていたんだろうな。
代わりにその言葉以外のたくさんの愛を贈ってくれた。
ありがとう
君という愛に包まれた私は
世界一幸せ者
もう一度チャンスがあるのなら。
今度はあの場所に二人で行きたい。
君と一緒に。
『君と一緒に』