夕木

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1/30/2026, 12:38:42 PM

【題:あなたに届けたい】

――助けて



後ろに小さく『。』を書き、自分の吐露を終わらせる
文字列なんかよりも、震えた筆跡が今の自分の心情を語っていて、言葉にこめた想いなんてちっぽけなんだと理解する

あの子は今大変なんだ
私が支えてあげないと
私の弱すぎる心の声なんて、届いてもあの子の重りにしかならない

だから紙に書いて、くしゃくしゃに崩して、ポイって捨てるんだ
ゴミ箱に向かって気持ちを投げる

ぽとり、ゴミ箱の横に落っこちた
ああ、面倒だな
立ち上がる――その時に着信音が響いた
あの子からの電話だ

諦めて、携帯電話を手に取る
咳払いをして、高めの声をひとつだしてみる
よかった、明るい声色が出た
確認できたら電話に出る

そして、なんでもないように演じるの

『もしもし、今度はなに?また一生に一度のお願い事でもあるの?』

ほら、こうすれば全部いつもどおり
あの子のほほえむ声が聞こえる
よかった、前まで笑ってくれなかったから
うれしいな、しあわせだな



――気づいて


ああ、また要らない感情ができてしまった
あとできちんと捨てておこう。