硝子の中に咲く花
花びらは一枚一枚
色鮮やかで
葉脈もしっかり浮き出ていて
茎は端から端まで
まっすぐに伸びている
水を欲することも
枯れることもない
花はこんなにも
彩っているのに
時間だけは
止まっている
◆永遠の花束
告白してくれてありがとう
だけど 君とは ずっと
友達でいたいんだ
誰もいない校舎の踊り場で
眉をハの字にさせて
そう言ってくれた彼
いっそ 気持ち悪いと
嫌いだと 言ってくれたなら
良かったのに
君は優しいから
僕にそう言ってくれたんだね
◆やさしくしないで
電車にバスに 揺られながら
きまぐれの気ままな一人旅
今日はどこへ向かおうか
この前行ったあそこは
綺麗な景色だったな
あの喫茶店の
コーヒーとサンドイッチは
絶品だった
スマホで検索などの
下調べは あえてしない
本当に 思いつきの旅路
今日はどこへ向かって
何をみて
何を食べて帰ろうか
殆ど誰もいない車内
走る揺れに身体を預けて
ゆっくり目を閉じ
考える
◆瞳を閉じて
あなたのカタチをかたどりましょう
あなたへテとアシをおくりましょう
あなたにふたつのメをつけましょう
あなたにワタをたくさんつめまして
あなたに赤色リボンをかざりまして
そして
貴方に名前と愛称をおくりましょう
◆あなたへの贈り物
自分はどういう人間になりたくて
何をしたいのか
生まれた以上 何かを成し得たくて
将来の夢 だったり
どういう仕事をしたいのか だったり
今後の蓄えをどうするのか だったり
誰しもが決めたり
悩んだりする
ぼぅ と目の前の海を眺める
誰かが言っていた気がする
世間が海で
人生とは船旅で
海をどう渡るのかが
自身の目標で
航路だと
海は常に穏やかではない
時には波が高くなったり
荒波になることもある
そういう海を越える為の航路
ではその航路をどう定めるのか
己の好きなもの 興味の持てるもの
そういった自分だけの羅針盤を
持つことなのだろう
◆羅針盤