【世界に一つだけ】
あなたもわたしも
違う種を持っていて
あなただけの華を
咲かせよう みたいな
有名な歌はあるけれど
躍起に華を咲かせなくても
いいのではないだろうか
だって 種の時点で
世界で二つとないのだから
咲けない華があっても良い
咲かない華があっても良い
いつか咲く 花があっても
良いだろう
失わないように 腐らないように
育てていければ良い
【胸の鼓動】
抽選戦争を勝ち抜き
念願のチケットを手に入れた
いつも画面越しに見ている貴方が
数メートル先の壇上に立っている
あの人も生きている
あの人は生きている
あの人が生きている
ペンライトを握る手が震える
心臓の鼓動がうるさい
息をするのを忘れてしまうくらい
貴方を見つめる
歌声も セリフも ダンスも
衣装も 舞台も
全部 ぜんぶ 眩しくて
愛おしい
【時を告げる】
雀が鳴く
学校のチャイムが鳴る
街のサイレンが鳴る
こうして一日が流れる
壁にかかる振り子時計
右に揺れる
左に揺れる
ひたすら揺れる
やがて鐘が鳴る
こうして時間を流す
【貝殻】
手の内の白い巻き貝
巻き貝の入り口に
耳を当ててみる
こうすると
波の音がするよ と
誰かに言われた記憶
もちろん
そんなことはなく
閉じた空気の音がして
耳の横を 海の匂いが
ほんのりと かすめた
【きらめき】
あなたには好きなことや好きな物はあるだろうか。もっと言うと、子供の頃に満足に出来なかったことはあるだろうか。
私の場合は、スーパーの駄菓子コーナーなどに置いてある、一個二百円ほどで買えるあのお菓子付きのペンダントだ。昔は百円台で買えたらしいが、この商品も例外なく値上げし、今に至るというわけだ。
私の小さい頃はこのペンダントにはあまり馴染みがなく、買ってもらえる機会が殆どなかった。そもそも菓子自体もあまり買える余裕がなく、景気良くお金を手入れたとしても、腹を満たす容量重視で菓子を選んでいたため、微少のお菓子付きペンダントを買おうとは当時はならなかった。
現在は大人になり、金回りも昔よりは良くなった。元々可愛いものや綺麗なものが好きな私が、このペンダントにハマるのは容易に想像に難くなかった。
宝石風にカットされたアクリル
アクリルの縁の柄や模様
その柄や模様の素材やカラー
いちシリーズに何種類も展開していて、しかもパッケージがランダム、加えてレアと呼ばれるペンダントもあるものだから収集癖でなくても何個も買ってしまう誘惑がある。集め始めて何年か経つが、宝石のコレクションを一つにまとめ眺めると壮観である。
昔はなかなか手が届かなかった煌めきは、今は私の手の届くところにある。
大人になったのか、子供のままなのかは分からないが。