確かにここにあった
君のぬくもり 私の隣で
心も身体も一つになるのかもって
おとぎ話みたいな未来を描いてた
ある日大雨が降って 何もかも壊した
大切なものも 全て吹き飛んだ
あんなに近くにあったぬくもりは
もう あんまり 思い出せなくて
あったかくて キラキラしてて
お日様みたいで 居心地が良かった
私に残ったのは ほんの少しの
消えまいともがく 木漏れ日の跡
死にたくないと思うよ
君が大きくなるまでは
生きていたいんだよ
伝えたいことがありすぎて
抱きしめられるうちに
一緒にいられる間に
私は君に何を残せるだろう
いつ死んでもいいようにって思うけど
きっと死ぬ直前まで抵抗しているんだろうな
「私は生きて生きて生きています」
「幸せになる姿を見守らせてください」って
キンモクセイっていいにおい
そう君が言った日から
雑貨屋で買った香水を
おまじないのように
毎日少しだけつけてるの
高校の頃の彼は哲学が好きな人だった
「人間ってどうして生きてるんだろう」とか
「恋とか愛ってなんだろう」とか
そんな終わりのないような問いを
よく考えてるって話してたのを覚えてる
あたしは大人になった今でも
人間がどうして生きてるのかなんて興味がない
恋と愛の違いなんてよくわかんない
でもさ、
もし人間の生きる意味がなくても
産まれたからには楽しんでいきたいと思うし、
恋がなんとかで愛がこれこれで…って言われたら
究極にどっちも嫌になると思う
だから考えるだけ無駄
あたしみたいなタイプには
終わらない問いは向いてないみたい
誰にも言えない秘密が詰まってる
本当は寂しがりやですぐ泣くし
強がって笑うけど結構傷ついてる
すごい人見るとすぐ自信無くすし
劣等感で押しつぶされそうで苦しい
それでも生きていかなきゃならないから
ぐっと堪えて一歩ずつ進んでいくんだ
秘密にすることは「かわいそう」じゃない
私を愛するためのヒントになる
誰にも言えないただの箱は
いつか誰にも言わない宝箱に