距離が近いのが気に入らない。
変なあだ名をつけて、あまつさえそれをデカい声で呼んでくるのが気に入らない。
警察官のくせに能天気なのが気に入らない。
自らの容姿を盾に、ナンパじみた逮捕をするのが気に入らない。
背が高いのが気に入らない。
今の相棒の大体の要素が気に入らない。
けど。
真夜中の捜査中、隣を歩く相棒の、月明かりに照らされて光る銀髪を眺めるのはさほど悪い気分ではなかったり、する。
……俺も自分の知らないうちにコイツの毒気にやられているのかもしれない、なんて思ったり。
「ん、どしたのそんなに見て?オレに見惚れちゃった?」
「見惚れてない」
「またまたそんなこと言って~~」
「うるさい、集中しろ」
「はーい」
【月夜】
できるならオレの全てをお前に捧げたいし、
お前の全てをオレに捧げられたい。
思うだけならタダだから、という理由で、諦めと惨めさと、ほんの少しの期待とが入り交じった欲を抱えている。
【欲望】
君が話しているのは最近の出来事なのに、
その中に「今はいない人」の存在が加わるだけで恐怖を覚える。
死んだ顔をしながらそれらを嬉々として語る君になんて言葉をかけたらいいのか、自分には分からない。
【現実逃避】
その光を振り撒いて、これまで一体何人をたぶらかしてきたんだ。
一体何人が、惑わされてしまったんだ。
俺だけでいいだろ。
俺だけであるべきだ。
俺だけのはずだったのに。
お前の笑顔に心揺さぶられるのは。
なぜ皆、お前の笑顔に同じ名前をつけるんだ。
俺が最初につけて、誰にも明かしていなかったはずの笑顔の名前を、なぜ知らないやつらの口が繰り返すんだ。
【太陽のような】
他の誰かと比べる必要なんてない。
ただオレたちが出逢って、相棒になって、それだけで十分だ。
………なんて言うと思ったか!!!!
オレは「この世界で一番強くなる」男だ!!!!
生まれつき他人と比べる性分なんだよォ!!!
覚えとけ!!!!!!
お前を一番好きなのはオレだぁぁぁ!!!!
ハーーッッハッハァ!!!!!!!
「…何を分かりきったことを」
「さーせん」
【誰よりも】