騒がしいアイツが去っていった。
心は穏やかだ。
穏やかで、むなしい。
少し前までは、一人の空間が癒しだったのに。
気づけば、この空間で片付いた俺の心を、アイツが何度も容赦なく荒らしてくれることを望んでいた。
こんなこと、知りたくなかった。
俺が誰かに会えなくて寂しいと思うなんて。
よりによって、その相手がアイツなんて。
…その気付きが、少し嬉しいなんて。
【台風が過ぎ去って】
______
前回のお題とつながってる、かもしれない。
やけに大きく響く生活音に、お前の声を重ねる。
【ひとりきり】
______
俺、寂しいのかもしれない。
フィルター越しに見たりなんかしなくてもアイツは綺麗だけど、もしかしたら、そう思わせるフィルターが最初からかかってるだけなのかもしれないと、思ったり思わなかったり。
【フィルター】
「バカでも風邪ひくって証明してやる!!!」
そう叫んで、土砂降りの雨の中、全力疾走で帰宅していったアイツ。
翌日、ケロッとした顔で教室に入ってきた。
ホントにバカって風邪ひかねーのか…?
そう思った矢先、俺が風邪をひいた。
どうやらあの雨のあと、若干体調は悪くなったらしいが、それが風邪だったことに気づいていなかったようで。
それで必然的に一番近くにいた俺にうつったってわけだ。
マジのバカだコイツ、最悪、
そう悪態をつきながら布団を被る。
…まあでも、半べそかいて「うつしてごめん」って言いながら俺の看病してるコイツを見るのは、悪い気分じゃない。
なんかちょっと、かわいい。
せっかくだし、こき使ってやろう。
【雨と君】
一緒にいたい。
アイツを守って生きて、生き抜いて、死ぬまで。死んでも。
ずっとずっと、一緒がいい。
アイツの全部が好きで。
好きで好きで好きで好きでたまらなくて。
…なんて、言えるわけがないから。
「相棒」にかこつけて、オレのためではないであろう、アイツの隣を陣取る。
【言い出せなかった「」】