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2/13/2024, 10:21:59 AM

『まだかいな』
『待ってて今行くから』
とLINEを送って、友人との待ち合わせ場所へ向かうために玄関を出た。

待ってて、と言ったものの、もう遅刻寸前。遅刻しそうだと逆に冷静になるという人間の性質が働いて、焦らずゆっくり歩いた。
待ち合わせ場所までの中間地点くらいの角を曲がったところで、汗だくの友人と出くわす。
友人はいきなりものすごい勢いで近づいてきて自分の肩をつかみ、「早まるな!!話なら聞くから!!!」と息切れしながら叫んだ。
「どしたの」と聞くと「だって、LINE!!!!LINE!!!!」と言葉を覚えたてのインコのように繰り返すので、困惑しながらもLINEを見返すと、


『待ってて今逝くから』


「…おっと」
やはり遅刻は少なからず人を動揺させるようだ。誤爆していた。

にしても友人、お前そんなに文章を真に受けやすい奴だったか?





【待ってて】

2/3/2024, 12:18:46 PM

お前のせいだ。全部お前のせいだ。
お前のせいで、私は死ねなくなった。
例え、死ぬほど辛い思いをしても、死のうとしても。

あれから、1300年ほど生きた。
それまでの間、私はお前をずっと憎んでいた。その身もまた死ねない体になったお前を。
そして私は、これからもお前を憎み続けるだろう。1000年先も、10000年先も。

時間はたっぷりあるんだ。いつの日か私たちが「無くなる」日まで、何度でも、

「殺し愛」をしようじゃないか。



【1000年先も】




東方projectのあるキャラクター二人と、二人をテーマにした歌を思い出しながら書きました。
憎みあい、殺しあいながら愛し合う、あの関係いいと思うんだ…

1/14/2024, 1:02:59 AM

いつもの時間に家をでて、電車に乗って。
今日に限って人が多くて、席が空いてなくて。
仕方なくつり革を持って立つ。
しばらく揺られていたら、急に電車が大きく揺れて、体がよろけて。
転ぶ、と思ったら誰かが受け止めてくれて。
誰かと思って見たら、それは絶賛片思い中の君で。
「大丈夫か?」なんて、めちゃくちゃいい声で話しかけてくれて。
おはよう、大丈夫、今日は早いね、いろいろ言いたいのに声が詰まって顔を赤くするばかりの僕に、君は「ハハッ、なんだよその反応」って、その綺麗な顔で笑いかけて。




なんて、ホントはそんなことは絶対にあり得ない。
君は僕なんかにそんなこと言うキャラじゃないし、僕たち同じ電車じゃないし、そもそも僕、君と話したことすらない。
けど、どうしたって好きなんだ。遠くからしか見ることはできないけど。


少しくらい夢見たって、いいでしょ?





【夢を見てたい】

1/12/2024, 10:59:27 AM

ずっとこのまま
君と
一緒にいられたらなあ

そう思っていたら、君がその心を読んだように、僕を抱き寄せた。

大丈夫
どこにも行かない

そう、優しく言うように。



【ずっとこのまま】

1/3/2024, 10:37:14 AM

でっかい初日の出を撮ってくると勇ましく遠征していった同居人が、「眩しすぎて撮れんかった」となっっさけない顔をしながら帰って来たので、うちのベランダから撮った小さな初日の出の写真を同居人の目の前でLINEに、『ドンマイ』という音声付きスタンプと共に転送してあげた。

その後同居人からは舌打ちのスタンプが3つ送られてきた。


【日の出】

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