上手くいかなくたっていい。
失敗してもいい。
そう言われても失敗を恐れ続ける。
怖い、怖くて仕方がない。
心臓の鼓動が早くなる。
真っ直ぐ前を見られない。
息が上がる。
目に涙が溜まる。
何度も落ち着かせようとしても上手くいかない。
どうすれば良い。
誰か教えて。
蝶も花も、綺麗だと言う。
けれど虫が苦手な人からすれば蝶は苦手になる。
花もそう。
綺麗だと思う人と、そう思わない人がいる。
本当に綺麗なのか。
綺麗とは一体何なのか。
人の感性は難しいものだ。
最初から決まっていたんだ。
どれだけ努力しようと才能のある人には敵わない。
ずっと頑張ってきた、褒められたくて。
凄いねって言われたくて。
私を、私だけを見て欲しくて。
でも、見てはくれなかった。
比べられてばかりだった。
こんなにも頑張ったのに、結果が出なくて見放された。
どうでもよくなった。
無駄だった。
結局は敵わないのだ。
だからもう縛られない。
私は、自分のために日々を過ごす。
そう思うと少しだけ軽くなった気がした。
何を言われようがもう関係ない。
わたしは、私だ!
太陽みたいな輝く髪を見た。
僕とは違う色。
金髪、褐色の肌、碧眼。
変だとは思わなかった。
ただ向日葵がよく似合う人だと思った。
そう言ってみると。
泣いていた。
碧眼を濡らして。
どうして泣いているのか分からない。
けど、
涙で覆われている眼がより輝いている。
僕は胸の中が熱く燃えるような感覚になった。
少しして、その人は僕に言った。
「ありがとう」と。
その人の顔が赤く火照っていた。
泣いていたからだろう。
どうして泣いているのか僕は聞いてみた。
聞かない方が良いと思っていた。
でも、気になってしまった。
少しして俯きながらも話してくれた。
「人とは違った容姿をしているから気味が悪い」
なんて言われたみたいだ。
僕は腸が煮えくり返る感覚になった。
こんなにも笑った顔が輝いていて、向日葵が似合うと言うのに。
僕は声をあげて言った。
「君は太陽のように輝いていて笑顔が素敵な人だ」
夕焼け空に鐘の音か鳴り響く。
烏が飛び立つ。
空が黒く染まる。
私が消える。
跡形もなく。