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11/28/2024, 10:54:08 PM

終わらせないで…



私が高校生の頃の話だ。


「乗って残そう飯田線」


飯田線という鉄道を廃線にしないための

地域のスローガンみたいなものがあった。


当時私は電車通学をしていた。

道中の大宮通りには、春には桜が満開だった。


卒業して5年間、通勤にも電車を使った。

同年代の仲間は自家用車に乗った。

長野県は車が無いととにかく不便だ。

でも、電車を使いたかったのだ。



あれから、ん十年…

久しぶりに乗った電車は

バスのワンマンカーみたいなシステムになっていて

戸惑いながら後ろから乗った。



時代は流れて、

いつか想像もできない乗り物が

空を行くのかもしれない。



私はそのとき

空のずっとずっと上で

電車の素晴らしさを叫ぶことにしよう。

11/8/2024, 11:17:39 PM

意味がないこと…



いろんな罠にはまってきた。

詐欺に遭ったこともある。

私は、そのすべてに意味があったと思いたい。



昨今、闇バイトのニュースを聞かない日はない。



はっきり言おう、

うまい話はありません!!



ホワイト案件、荷物運び、高額〇万、日払い

全部詐欺と思っていい。



自宅内職の時給換算は高くて200円だ。


自宅で簡単、ネット、高額報酬…相手は巧みに誘う。

気がついたときには何万も損をしている。



闇バイトで騙されて強盗殺人



やれと脅されても、やるのは自分だ。

やらないのも自分だ。



騙されないのが一番だけど、

騙されたら、どうしたらいいか、どうするか

それはもっと大切なんだ。

11/2/2024, 10:44:23 AM

眠りにつく前に…




さよなら

助手席のドアを閉めると

車はゆっくり動き出し

ひとりぼっちの私が立っていた。



あの人と別れた日の

あのシーンが私の中で永遠となった。



もしも来世があるとして

私はあの人と結ばれたいのだろうか?



私が永遠の眠りにつくとき

最後に願うのはなんだろう。

10/28/2024, 2:02:48 PM

暗がりの中で…



長野県に元善光寺というお寺がある。

息子は、小学校の社会見学でそこのお戒壇めぐりをした。


お戒壇は真っ暗だ。

クラス全員がぞろぞろと一列に並んで入った。

息子は出席番号が一番最後だったから、

どんなときにも最後尾だった。


途中で女の子が一人動けなくなってしまった。

暗闇が怖くて足がすくんでしまったのだ。

息子はその子の手を引いて出てきたそうだ。


お戒壇の途中には、「幸福のかぎ」というのがあり、

息子はその女の子と一緒に幸福のかぎを触ったらしい。




さて、その話には、今のところ続きはない。



若い者のロマンスを年寄りは期待するが

まぁ、黙っておくか……

10/22/2024, 1:19:05 PM

衣替え…



ラブラドール雑種の ナナさんは

冬毛がミチミチに生える。


知らないうちにミチミチになるから

いつ生え替わるのかわからない。


ナナさんは 賢いが

バカヤローでもある。


ある春、ナナさんとお散歩をしたときのことだ。

ナナさんのリード紐が私の手から外れた。


一瞬、何が起きたか分からなかった。

それは、ナナさんにとっても同じだった。

ナナさんは、次の瞬間

自分のリード紐をくわえると

一目散に逃げ出した。

紐を引きずって逃げると捕まえやすいが

賢いナナさんは、それを見越してくわえたのだ。


早朝、ナナさんが逃げる、私が追う。

ナナさんは、道の曲がり角では私を待ち

カーブミラーで目が合うと、すかさず逃げた。


くそ~!


力の限り追いかけるが

走力は断然ナナさんが上だった。


あぜ道を跳ねるように走るナナさん。

追いかけて足を滑らせ側溝に落ちた私。


もう無理だ。役場に電話しよう…
(飼い犬の逃走などは役場に通報しなくてはならない)


ふと顔を上げると

紐をくわえたナナさんが駆け寄ってきて

申し訳なさそうに見下ろしていた。




ナナさんとのエピソードは尽きないが

書ききれないので続きはまたの機会にね。

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