衣替え…
ラブラドール雑種の ナナさんは
冬毛がミチミチに生える。
知らないうちにミチミチになるから
いつ生え替わるのかわからない。
ナナさんは 賢いが
バカヤローでもある。
ある春、ナナさんとお散歩をしたときのことだ。
ナナさんのリード紐が私の手から外れた。
一瞬、何が起きたか分からなかった。
それは、ナナさんにとっても同じだった。
ナナさんは、次の瞬間
自分のリード紐をくわえると
一目散に逃げ出した。
紐を引きずって逃げると捕まえやすいが
賢いナナさんは、それを見越してくわえたのだ。
早朝、ナナさんが逃げる、私が追う。
ナナさんは、道の曲がり角では私を待ち
カーブミラーで目が合うと、すかさず逃げた。
くそ~!
力の限り追いかけるが
走力は断然ナナさんが上だった。
あぜ道を跳ねるように走るナナさん。
追いかけて足を滑らせ側溝に落ちた私。
もう無理だ。役場に電話しよう…
(飼い犬の逃走などは役場に通報しなくてはならない)
ふと顔を上げると
紐をくわえたナナさんが駆け寄ってきて
申し訳なさそうに見下ろしていた。
ナナさんとのエピソードは尽きないが
書ききれないので続きはまたの機会にね。
始まりはいつも…
空間のゆらぎ
宇宙の始まりはビッグバンだという…
宇宙の終わりは
胸がぎゅーんとして聞きたくない。
こんな夜、私は腹筋運動をしています。
あなたは何をしますか?
すれ違い…
まだ未成年だった私は
ある時期、ボウリングにハマっていた。
けれど、なぜボウリングに通っているかわからないくらい
スコアは低かった。
目的はボウリング場の隅にあるジュークボックスだった。
機械にリクエストすると100円で1曲流すことができた。
当時、「異邦人」という曲が大好きだった私は
行くと必ずリクエストを入れていた。
広いフロアに好きな曲を響かせるのは至福だった。
さて、あれから40年…
この頃、80年代のヒット曲特集とかをTVで観た。
寝転んで観ていた夫が言った。
「そういえば異邦人、ボウリング場でよく流れてたなあ」
……あれ?
忘れたくても忘れられない…
心が激しく動いたとき
人はその時の記憶を忘れないという。
生まれて最初の記憶はなんだろう?
私の場合は
食事の風景…
肉を食べている。
父親が口で噛んで柔らかくして私に与えている。
状況から察すると、1歳前後と思われる。
あなたはひとが先に噛んだ肉を食べたことがあるだろうか?
味が薄くてとてもまずいのだ。
非常に強い憤りを1歳の幼児は感じていた。
恩知らずな子でごめんなさい。
今は感謝しています。
でもあの肉は不味かったよ。
鋭い眼差し…
目力のある人っているよね。
例えば…
どうぶつ園でコアラと目が合っても
ドギマギしないよね。
あ、する人もいるかもしれないか。
大きいとか細いとか
あんまり関係ない気もする。
我はもう撃たれてしまいし鳥なれば君の視界の外に安らぐ
❨俵万智さんの短歌❩