子どものように…
私の息子は、
小さい頃からおじいさんのような子供だった。
人にはそれぞれ 「体年齢」と「タマシイ年齢」がある。
私は輪廻転生を信じている。
間違いなく私より息子のタマシイ年齢は高い。
しかし
なぜだかわからないが
思春期を過ぎて息子の中身は
おじいさんから青年に若返ってしまった。
はて?
私の中で法則が狂う。
前世を忘れたからか?
うーん…
わからないや…。
容れ物になんの意味があるだろう。
やがて容れ物は朽ちタマシイは次の容れ物に入る。
タマシイを磨いていこう。
放課後…
放課後に何かした記憶がない…
あ、そうそう
しいたけを食べられない友達がいた。
親しくはなかったがクラスメイトだった。
給食の時間が終わり
掃除の時間が終わり
下校近くになってもまだ一人で椎茸と格闘していた。
彼女の机に近づいて私は言った。
鼻を強くつまむんだ。
息をせずに飲んじゃいなよ。
涙目の彼女は言われるままに鼻をつまんで椎茸を飲んだ。
それから数年後
私達は中学生になり、クラスは別れた。
ある日、隣のクラスで給食中に
鼻をつまむ彼女を見かけた。
あれから四十年。
今は普通に食べられるだろうか…
ココロオドル…
些細なことを喜ぶ人間である。
幸せな人とは、そういう人なのだと私は思う。
例えば、
数年前に夫は小さな金柑の鉢植えを買った。
その鉢は庭の隅で花も咲かせず数年過ぎた。
しかし去年、白い花がいくつか咲いた。
彼は毎日眺めていたが
やがて花の下に小さな小さな実が見えた。
数日後、小さな実は鉢の下にしぼんで落ちた。
今年、また白い花が咲いた。
今、深い緑色の実は1cmくらいになった。
今年の実はどうなるだろうか。
実が熟さなくても彼は幸せだろう。
彼を見る私も幸せだから。
昨日は私たちの結婚記念日でした。
ジャングルジム…
保育園のジャングルジムが好きだった。
てっぺんは4段くらいだったと思う。
てっぺんに腰掛けて長い時間を過ごす子供だった。
ある時、手が滑って下まで落ちた。
てっぺんから地面まで。
手足をことごとく打ちながら落ちた。
でも、そのおかげでケガはなかった。
現在、公園からジャングルジムが消えているそうだ。
原因は落下事故の増加だそうな。
香水…
空のエレベーター
乗り込むと柑橘系の香り
あの人の香りだ…
そして、あの娘の香りでもある。
あの娘はあの人の恋人だった。
しかし、別の人の妻となった。
あの人も別の人の夫になった。
ふたりは同じ職場で働いている。
私は…
二人がうらやましい。
いろんな意味で。
私は自分の香りを持たない。