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11/11/2025, 6:28:57 AM

寂しくて 波音希星作

夜の窓に映る ひとつの影
君の笑顔が 遠く霞んで
通り過ぎた あの日の風景が
今も胸の奥で 波を立ててる

街灯ひとつ消えて 音だけが残る
ありがとうさえ言えずに 黙ったまま
手を伸ばせば 届くと思ってた
でも今 君のぬくもりだけが 遠ざかる

寂しくて 夜空に声を投げた
返事のない星だけが 僕を包む
忘れたくて でも忘れられずに
君の影を 探して歩いてる

カフェの窓側 ふたりの席が空いてる
あの日のメニュー 今もそのまま
「また来ようね」って言った 笑顔の続きを
僕はまだ 引き出しの奥で 開けられずにいる

時計の針が 君を刻んでいく
どれだけ時がすぎても 変わらない想い
だけど言葉は風に乗って 消えていった
「さよなら」より 難しいのは その一言

寂しくて 夜空に声を投げた
返事のない星だけが 僕を包む
忘れたくて でも忘れられずに
君の影を 探して歩いてる

もしも願い叶うなら 君の笑顔に帰りたい
けれどその道を選ばず 僕はただここにいる
暗闇に浮かぶ記憶 手のひらで掬えずに
ひとり 泣いた夜を 明日へと変える

寂しくて 今もこの胸が鳴る
返事のない星だけが 僕を照らす
忘れたくて でも忘れたいのに
君の影を まだ探してしまう

寂しくて 静かな夜に包まれて
君の声を 心だけで響かせる

11/9/2025, 1:33:37 AM

透明な羽根 波音希星作

朝靄の中で ひとり立ち止まる
昨日の涙が まだ頬を伝う
でも風がそっと 背中押すように
新しい空を 見上げていた

透明な羽根が 光をまとい
まだ見ぬ未来へ 舞い上がる
傷だらけでも 信じていたい
この心のまま 飛べるはず

誰かの言葉に 揺らいだ夜にも
静かに灯る 小さな勇気
見えないものほど 確かな力で
夢を運んでく 羽音がした

透明な羽根が 闇を抜けて
希望の色を 描いてゆく
迷いながらでも 笑っていたい
明日へと続く 風の中

透明な羽根が 朝日に溶けて
心の空へ 帰ってゆく
もう恐れないよ どんな空でも
君となら 飛べるから

11/3/2025, 10:07:50 PM

行かないでと、願ったのに 波音希星作

白い息が揺れて 冬が降りてきた夜
あなたの背中 遠くなるたび
声が凍えて消えてく
手を伸ばしても もう届かない

行かないでと 願ったのに
風だけが返事をした
約束の言葉さえ 雪に埋もれて
心が痛いほど静かで

思い出の街角 ふたり歩いた道
今は私ひとりの足音
あなたの笑顔が まだ離れない
優しさが 刃になるの

行かないでと 願ったのに
涙だけが光っていた
さよならの意味さえも 言えなかったまま
時間が冷たく流れてく

最後に見た横顔が
今も夢の中で笑う
どうしてあの日 止められなかったの?
心が問いかけてる

行かないでと 願ったのに
夜明けがふたりを裂いた
「愛してる」その一言 遅すぎたのに
今でもあなたを呼んでいる

11/2/2025, 3:30:48 PM

秘密の標本 波音希星作

静かな部屋 ガラスの奥で
時が止まった夢たちが眠る
色褪せぬ羽根 光を集めて
あの日の約束を そっと抱いてる

誰にも見せない心の奥で
君の笑顔を標本にした
壊れぬように 触れぬように
透明な愛を閉じ込めたまま

風が過ぎて 季節が巡る
棚の隅で 埃が踊る
言葉にできぬ想いの標本
名前も知らぬ涙のしずく

永遠を願うほどに脆くて
君の声さえ硝子に響く
痛みの中で 優しさだけが
色を失わず 生き続けてる

もしもあの夜に戻れたなら
君を閉じ込めたりしないのに

誰にも見せない心の奥で
今も君を標本にして
壊れていい 滲んでもいい
想いのかけら 解き放つように

静かな部屋で ガラスが光る
君が笑った日が まだ息づいてる…

11/2/2025, 1:16:02 AM

凍える朝 波音希星作

白い息が空に消えてく
誰もいない駅のホーム
昨日の夢をまだ抱えたまま
指先が震えてる

あなたの声を探していた
冬の風が頬を刺す
行き場のない想いが
胸の奥で眠れずにいる

凍える朝 光を待ちながら
凍った涙が 頬を伝う
あの日の約束 まだ消せずに
心だけが あなたを探す

止まった時計の針のように
時間だけが遠くなる
小さな勇気さえ持てたなら
笑えた日もあったね

言葉よりも温もりが
欲しかった季節の中で
ひとりきりの帰り道
雪がすべてを包んでく

凍える朝 祈りを抱きしめて
凍った空にも 春を願う
もう一度だけ あの微笑みに
手を伸ばせたら 溶けてゆくだろう

夜明けがほら 静かに滲んで
冷たい空気が 優しくなる
凍える朝を 越えてゆくたび
新しい日が 生まれてく

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