会社からの帰り道ふと見上げた空。
きっと普段と何ら変わらない星空なのだろう。
それでも私には特別綺麗に見えた。
いつから私は空も見ずに過ごしていたんだろうか。
星空の下で無邪気に夢を語っていたあの頃を思い出す。
今では考えられない程ひどく幸せな時だった。
昔に思いを馳せいつぶりかに見た空に思わず涙ぐんだ。
ー星空の下でー
それでいい それでいいんだよ
貴方はそれでいい
苦しくて逃げたくなっているでしょう
辛くて閉じ籠りたくなっているでしょう
何もかも放り出したくなっているでしょう
それでいい それでいいんだよ
貴方はそれでいい
苦しいなら逃げてしまおう
辛いなら閉じ籠もってしまおう
何もかも放り出してしまおう
一回楽になろう
過去の君へ、
それでいい それでいいんだよ
君はそのままでいいんだよ
ーそれでいいー
誰かの特別になりたくて
必死に良い子を演じてた
無理に笑って我慢して いつも良い子を演じてた
いつしか私は便利屋に みんな私を頼ってた
いつしか私の周りには 人が沢山集まった
これできっと誰かの特別に
ある時突然限界に 良い子を演じて疲れ果てた
辛くてみんなに相談した 誰も話を聞かなくて
どんなに良い子を演じても 誰も私を見なかった
どんなに自分を殺しても 誰も私を見なかった
限界だった私はある日突然飛んじゃった
誰の特別にもなれなかった
ー特別な存在ー
人が滅多に来ない開けた野原
僕らのお気に入りの場所
今日もいつも通り
二人で並んで空を見上げる
近くに街灯も建物もないこの場所は
空がよく見える
無数の星空に一筋の光が流れる
何をするでもなく
ただひたすらに空を見上げ続ける
走る車の音も人の声も聞こえない
なんだか世界で僕ら二人ぼっちになったみたいだ
ー二人ぼっちー
死にたいと願いながら生きる僕
死なせないと辛い顔で笑う君
夢の中で会える君はあの日より髪が伸びて
少し大人っぽくなった
僕の中では時間は止まったのに
君はあの日から進んでいる
君は強い人だった
常に笑って優しく強い人だった
今日も君は辛そうな顔で笑って
死なせないと言う
そんな君の為に僕はまた
死にたいと願いながら生きていく
夢が醒める前に君を強く抱きしめ目を開ける
頬には一筋涙の跡があった
ー夢が醒める前にー