「水たまりに映る空」
そこにある空も、水たまりに映る空も、同じ様に美しい。
何なら、水たまりの空の方が、水の揺らめきのせいで綺麗に見える時もある。
本物か、偽物かなんて、その美しさの前では些末な事になってしまう。
大事なのは、自分がどう思うか、どう感じるか。
人の評価とか基準軸とは、どうでもいい。
自分の心が動くか動かないか、が大事だから。
「恋か、愛か、それとも」
貴方に対するこの気持ちを、一体何と表現すればいいのだろう?
恋?でもそこまでときめいたり、キュンキュンしたりって事はない。
友情?確かに話しやすいし、一緒に居ると楽しい。でも、それだけではない気がする。
愛?そもそも愛って何?尊敬?自己犠牲?共感?わかんない。
大体、気持ちに名前ってつけなきゃいけないの?
恋でも、友情でも、同情でも、仲間意識でも、愛でも。
名前なんて何でもいい。
ただ相手を大切に思って、尊重して。
そして相手に対して誠実な自分で在りたいという思いがあれば、それでいいと思う。
大切なのは名前じゃなくて、心そのものだと思うから。
変に名前に固執して、物事の本質が見えなくなるくらいなら、名付ける必要なんて、分類する必要なんてない。
ただ、自分の心の中から沸いてくる気持ちを大事にすればいいと思う。
「約束だよ」
2人で約束したよね?
ずっと一緒に居るって。
2人で笑いあって、幸せに暮らそうね、って。
あれから何年も経って、その約束は守られなくなった。
貴方は自分が一番大切だし、私はそんな貴方に愛想を尽かし、微かに残っていた愛情の燃えカスすらも消えてしまった。
いつからだろう?
一緒に居ても笑い合えなくなって、楽しくなくなって。
むしろ一緒にいると苛ついて、その内同じ空気を吸う事さえ苦痛になってた。
当たり前に出来ていた相手への気遣いや、当たり前にあった思い遣り。
一体、何時、どのタイミングで失くしてしまったんだろう?
そんな事を考えれた時はまだ良かった。
失くした事を悔やんだり、悲しんだり出来ていたから。
でも、今ではもう。
心の底からどうでもいい。
貴方の事では、マイナス方向以外には心は1ミリも振れない。
よく愛情の反対は無関心って言うけど、それは違うと思う。
無関心なんじゃないの。
ただ、考えるのも、心を使うのも、頭を使うのも、全てが馬鹿らしくなるから、それらを使わなくなるだけ。
関心がないんじゃない。
全てを出し惜しむ様になるだけ。
あの頃の熱量は一体何に変わったのかは解らないけど、でも、確実に一つだけは確かな事がある。
私は、貴方が、嫌い。
「傘の中の秘密」
初めての貴方との相合傘。
背の高い貴方が傘を持ってくれて。
私が濡れない様に、さりげなくこっち側に傘を傾けてくれてる。
貴方は平気な顔をして、「急に降ってきたし困ってたんだ。ありがと。」って。
私も平気なフリをして、「ま、通り道だしね。知らん顔するのも後味悪いし。」とか言いながら。
でも、ホントは心臓バクバクで、もう口から飛び出しそうな程ドキドキしている事は、私だけの秘密。
「雨上がり」
雨上がりの、澄んだ空気が好き。
いつもより少し涼しくて、そして浄化されている気がする。
心もそうならいいのに。
嵐が吹き荒れて、涙の雨が降って、でもその後はスッキリして、悲しみも苦しみも浄化されればいいのに。
そうしたら、この苦しみから逃れられるのに。
そして、新しい一歩を踏み出せるのに。
と思って気づいた。
前を向こうと思えている内は大丈夫。
今はまだエネルギーを溜めているだけで、ちゃんと気持ちは前を向いてる。
だから、私は大丈夫。きっと、大丈夫。
そう自分に言い聞かせ、又新しい一歩を踏み出す。
誰でもない、ただ自分の為に。