「手紙の行方」
あの手紙は何処へ行ったの?
大切な、手紙。
誰にも見られたらいけない、大切な手紙。
貴方の事は良く知ってる。
だから、貴方が片付けそうな場所は全部探した。
でも、見つからない。
どうしよう?
あの手紙を人に見られたら。
誰かに見られる前に処分しないと……
でも、これ以上何処を探せばいいの?
ただただ時間は過ぎて行くし、気持ちは焦るし、もうどうしていいのか解らない。
二人だけの秘密の、大事な手紙なの。
何とかして見つけたいの。
でないと、貴方が見つかった時に、私の罪がバレてしたう。
詐欺?横領?自殺教唆?
罪名は解らないけど、兎に角私が困る事になるのは確か。
だから、探さないと。
焦る私は貴方の部屋を漁る。
そして。
ドアが激しくノックされる。
ドアスコープの向こう側には、数人の男達。
家の前には覆面パトカーらしき車。
もう、逃げられない。
何処かで朽ちているだろう貴方が、笑った気がした。
「君の探してる手紙は僕が身につけてるよ」
何処からか、貴方の声が聞こえた気がした……
「輝き」
君はいつも輝いている。
笑顔も、真剣な表情も、悩んでる表情も。
全てが輝いていて、眩しい。
何でなんだろう?他にも可愛い子や綺麗な子はいっぱいいる。
でも、何故か君が一番輝いて見える。
僕が君を好きだから?
そもそも何で僕は君を好きなの?
元々君を好きだと思ったのは、何だか他の子より君が輝いていたから。
これじゃあ、鶏が先か卵が先か、と同じで、君が輝いている、君を好きな理由が解らない。
で、うんと考えた。で、気づいた。
君はいつも誰よりも一生懸命だからだ。
失敗する事もあるし、試行錯誤しながら悩んでる時もある。
決して正しい事ばかりをしている訳でもない。
でも、君はいつも誰よりも一生懸命で。
それに、もし自分の一生懸命が人に迷惑をかけたり、間違っていると気づいたら当り前に謝れて、方向修正も出来る。
いつも全力で生きていて、全力で考えて、全力で走っている。
僕はどちらかと言うと、いつも一歩引いて物事を見るタイプだから、そんな正反対の君が眩しくて。
決して君みたいになろうとも思わないし、なりたいとも思わないけど、でも君の凄さや素晴らしさは解るから。
君の輝きは、ちゃんと僕に届いているから。
だから、君が、好きだよ。
「時間よ止まれ」
今までの人生の中で、何回時間が止まって欲しいと願っただろう。
貴方と過ごす幸せな時間。
子供と遊ぶ時間。
遊んでいる、笑っている、子供や家族や、幸せな人達を眺めている時間。
旅行先で、綺麗な景色を見て、美味しい物を食べている時間。
試験やテストで、残り時間が足りない時にも思ったかな。
家族が死病に冒されて余命僅かと宣告された時も、心の底から思った。
でも、当り前だけど時間は過ぎて行く。
良くも悪くも、止まることも早まる事もゆっくりになる事もなく、一定のスピードで過ぎて行く。
だからこそ、その時間を、一瞬一瞬を、大切に生きなければ、と思う。
時間は止められない。取り返せない。
振り返って、次に同じ事をする時の参考には出来るけど、その時に戻ってやり直す事は出来ない。
だから、かけがえのないもの「今」を、大切にして行きたい。
「君の声がする」
遥か遠くから君の声が聞こえる。
周りには沢山の人がいるのに、僕の耳には君の声だけがハッキリと聞こえる。
特別響く声でもないし、大きいわけでもない。
でも、僕の耳は君の声を取捨選択して、確実に聞き分けてる。
声だけじゃない。
遠くても、人が沢山居ても、君の姿を見つけられる。
君の全てが僕の全てで。
いつも君を見ているから、困ったら助けを求めて。
君にはいつも笑顔で居て欲しいから、悲しい事や辛い事があったら、相談して。
僕に出来る事なら何でもするから。
何度でも言う。君は僕の全てだから。
不意に君が振り向いて、ズカズカと僕の所にやって来る。
そんな君が僕に願ったただ一つの事。
「もう後をつけるのは止めて!!このストーカーが!!」
「ありがとう」
ありがとう、と言う言葉は、とても尊いと思う。
言う側も、言われる側も、嬉しい気持ちになれる。
仕事でも、プライベートでも、その一言があるだけで、もうギリギリ、無理と思ってても、もうひと頑張り出来る。
それが自分のやる気になるし、達成感にも繋がる。
でも、だからこそ逆に。
悪く使おうと思うと、仕事で言えばやりがい採取だったり、恋愛で言えば依存や甘えになったり。
本来はとても尊くて、大事な言葉なのに、だからこそ、悪く使われるととんでもない事になってしまう。
だから、言う側も言われる側も、気をつけなければならないと思う。
尊い「ありがとう」をキチンと使って、キチンと気持ちを表せる様にしていかないと、と思う。
「ありがとう」に甘えない様に、自分を戒めていようと思う。