あおいうみ

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8/13/2025, 9:33:35 AM

プクプクプク。
海の中は静かだ。
シュノーケルで息をする低音が、体の芯まで響いてくる。
普段は気づかない、自分の息づかい。
私ってこんなふうに息をしてるんだな。

「あ、魚だ」

目の前をゆっくりと、大きな魚が泳いでいく。
シュノーケルをつけているけど、つい叫んで後ろを泳ぐ子供たちに知らせる。
声は出ていないはずなのに振動が伝わるのか子供たちも魚に気づいた!

「ぼこご、ぼこご」
「ぼこ。ぼこご」

会話にはなっていないけど、お互いに何が言いたいのか少しわかる。不思議な空間。
話すのをやめると、また静けさが戻る。
心臓がどくんどくんと音を立てている。

魚たちはこっちをちらっとは見るけど、気にせずゆっくりと目の前を通りすぎていく。
「あんたたち、そんなもんつけて大変ね」
と言われた気がした。
確かに君たちからしたら、こっけいでしょうね!
プクプクと笑いがもれる。

顔を上げると、にこにこの顔。
真夏の思い出。
来年もまた、泳ぎにこようね!



8/12/2025, 3:45:51 AM

私がまだ小学生のころ、実家のとなりは親せきが経営するスーパーだった。
そのスーパーの中に、焼きそばやポテトなど軽食を売る小さなお店が入っていた。
お店の名前は「マック」

その頃は、100円持っていけばソフトクリームが買えた。
くるくるパーマのマックのおばちゃんが、くるくるとソフトクリームを作ってくれるのが、まるで魔法のようだと思っていた。

私の手に渡された瞬間、勝負は始まる。
今のところ10戦全敗というくらいの確率で、コーンからアイスが漏れてくるのだ。
すぐに柔らかくなるアイスクリーム用のコーンは、ピッタリと三角の紙におさまっていて漏れてくると、うまく引き抜くこともできなくなる。

必死で上のアイスクリーム部分を舐める。
楽しみな時間のはずなのに、夏場はすぐに溶けていきだんだんと手がベトベトになっていくのが分かった。
あ、まただめだった。
紙の下からは、白いアイスが液体になってしたたっている。
その日も最後は紙を破り、ふしゅふしゅになったコーンを食べた。次こそは!

今その場所にはコンビニができて、広い駐車場になっている。
そのコンビニのある場所は、私のこぼしたアイスクリームがたくさん染み込んだ、甘い甘い土地なのだ。
そう思うと、何だかくすっと笑いたくなった。