帽子をかぶって
…蝉のうるさい話し合いの時期。
私は帽子をかぶって、三毛猫の彼に会いに行く。
彼は、暑さに弱いから家から出てこない。
…だから、私から会いに行く。
干からびてないと良いな笑
小さな勇気
…いつも、猫背で男の子にしては少し小さな黒猫みたいな子に話しかけるには勇気がいる。
その子はゲームに夢中である時限定なのだが笑
まぁ、気持ちが分からないでもない。
…誰だって集中していることを途切れさせられたら少なくともむかつくだろうから。
だから、私はタイミングを見計らってゲームが中断されたのを見て、小さな勇気を握りしめて話しかける。
「…ねぇ。そのゲーム面白いの?」と。
わぁ!
「わぁ!びっくりした!!」
…プリン頭の三毛猫が急に廊下の壁からひょこり見えたからびっくりしちゃった笑
私がびっくりした後、その三毛猫はイタズラ大成功と言わんばりのニタニタ顔を見せていた。
…めっちゃ可愛い。
正直。
研磨…あなたに会いたい。
常にその想いが頭の片隅にあって困っている。
仕事が憂鬱すぎてあなたの元に帰りたいといつも思っている。
…そして、なんとか仕事を終えて私達が暮らしている家まで足を進めた時、明かりが見えた。
なんでもない家の明かり。
でも、私からしてみれば、生きる理由となる一つの要因なのだ。
…嬉しくて、安心してしまって、心が暖かくなっていつも家に入る前に泣きそうになる。
やさしい嘘
彼女は嘘をついている。
俺に対して。
具体的に言うと、対戦ゲームを何回かやる時、俺よりも彼女の勝利数が少なくなるように調整している。
例えば、5回戦うとしたら、彼女は2回勝って、俺が3回勝つように仕向けている。
その他にも色々あるが俺に嘘をついている。
…最初の方は嘘をつかれるのが嫌だった。
なんか、俺が弱い奴だって、自分よりも"下の奴"だって思われているみたいで。
でも、今では少し嬉しい。
俺が勝つたび悔しそうな顔を建前ではするものの、嬉しそうににやけた顔が見られる。
その顔がめちゃくちゃ可愛いから嬉しい。