11/17/2023, 10:04:36 AM
雪が街を覆う頃、オレはもういないだろう。
抱えたものが重過ぎた。
オレは、ただ生きていたかったんだ。素直に生きたかった。
だけど、もうおしまい。
オレ、この街を去るよ。未練はあるけど。
さよなら。元気でいてくれ。
11/16/2023, 10:14:08 AM
遥か、遥か引き裂かれて。オレたちは、ふたりになった。
さよなら。
「もう、何も喋りたくない。貝になりたい」
「待ってよ! ほんとに行っちゃうの?!」
「………」
後は、おまえが上手くやってくれ。
オレは、海深くを目指す。
ただ、頭の中でおまえが泣いていて、それだけが気がかりだった。
11/15/2023, 10:05:19 AM
にゃあ、と小さく猫が鳴いた。
そうだ。最初は、小さな猫だったんだよ。
それが、どんどん大きくなって、化け猫になった。
その怪物は、おまえを貪り喰いたいと哭いている。
育っていく叶わぬ想いが、オレを喰い殺す日が来るのだろうか?
11/14/2023, 10:05:28 AM
寒いなって手をすり合わせてたから、手を繋いだ。
「体温低っ」
俺は、思わず口に出す。おまえは、曖昧に笑っている。
外でも人前でも、俺たちは繋いだ手を解かなくてもいい。
11/13/2023, 10:07:59 AM
おまえと出会わない世界を見た。
そこでのオレは、ずっとヘラヘラ笑ってる。あと、バカみたいに喋る。
やっぱり、おまえがいなきゃ、どうしようもないままだ。
「さよなら」
オレは、その世界とお別れすることにした。
帰ろう。