静かに響く優しい雨音を聴きながら、
今日も私 雨を降らす。
外では優しい音がするのに
どうしてこんなにも私の雨音は悲しい音で降るの。
1分でも早く この雨が病みますように。
「歌」
まだ人と精霊が共に生きていた時代。
深い山の奥に、一輪だけ咲く真紅の椿の花がありました。その椿は春になっても散ることなく、百年、千年と咲き続ける不思議な花でした。人々はそれを「千年椿」と呼び、恐れ敬っていました。
その椿には、ひとりの美しい精霊が宿っていました。彼女の名は椿姫(つばきひめ)。長い黒髪、白い肌、真紅の唇。彼女は椿の命そのものであり、山の守り神でもありました。
ある年の春、都から若い武士が山に迷い込みます。彼は戦で心を病み、命を絶とうとさまよっていたのです。椿姫はそんな彼を見つけ、そっと助けました。
「なぜ命を捨てようとするのですか?」
「守るべき者も、帰る場所も、もうないのです。」
椿姫はそんな武士に毎日歌を歌い、静かな時間を与えました。やがて武士の心は癒され、彼は再び生きる理由を見つけました。そして椿姫に恋をします。
「お前と共に生きたい。」
武士がそう言うと椿姫はふんわり微笑み、そっと頬に口付けをしました。
歌は力になる。
愛する人を癒やし、
悲しみを洗い流し、
未来へとつなぐ道になる。
椿姫は、歌うことで“生き続ける”ことを選んだ。
彼女が歌うたび、紅い椿が咲く。
どんなに雪が降ろうと、春が遠くても、
その声だけは、誰かの胸にそっと灯り続けた。
やがてその歌は、人々の間でこう呼ばれた。
——「千年の詩姫(うたひめ)」と。
光り輝け、暗闇で
この闇の全てを照らして
私を救ってみせて
貴方の記憶が全て消えてしまえばいいのに。
消えて、全てが怖くなってしまえばいい。
何も信じることが出来なくて
全てに恐怖を感じてしまえばいい。
それでいいの
そうなってしまったら、私が貴方を支えるから。
貴方が接することが出来るのは私だけ。
信頼できるのも 私ひとりだけ。
私でしか安心できなくなってほしい。
それが私の願い。
早く記憶が消えますように。
*.+゚✧︎*。
「綺麗…」
夜空を見上げると沢山の星が見えた。
その星たちはものすごく遠くの空で輝いている。
そして今、地球の何人もがこの星を見ている。
あの人も見ているのかもしれない。
私が星だったら、見てくれたのだろうか。
綺麗だね。と笑いながら言ってくれただろうか。
ああ 来世は星になりたい。
そう思いながら私は柵をそっと越えた。