11/4/2022, 12:57:27 AM
冴えない顔ね。
どうしたの?
ふうん、
なんだそんな事?
あなた、
また同じような事で落ち込んでるのね。
大丈夫。
私の目を見て。
いい?
あなたは大丈夫。
今までもこれからも。
あなたのままで
あなたは最高なんだから。
さぁ、
一日のはじまりはじまり。
-鏡の中の自分-
11/3/2022, 5:44:48 AM
窓を開けて
夜を招き入れましょう。
ふわっとカーテンが膨らんで
夜が部屋をいっぱいにしたら
静かに静かに抱きしめて。
夜に包まれて安らぎを感じたら
さようなら。
また明日。
窓からそっとお別れを。
おやすみなさい。
-眠りにつく前に-
11/2/2022, 9:13:05 AM
薄曇りの空。
少し灰色がかった憂うつな空から
ひとしずく。
一歩も踏み出せない程の静寂の中。
ぴんと張り詰めた湖面に
ひとしずく。
像の乱れた水面を覗くと
中には薄曇りの空が見える。
そこからまた
ひとしずく。
張り詰めた湖面に
ひとしずく。
像が乱れて
ひとしずく。
-永遠に-
11/1/2022, 12:34:27 AM
薄桃色の空。
そよ吹く風。
色とりどりに咲く花たち。
どこからか漂う甘美な香り。
羽ばたいていく鳥の群れ。
サファイアブルーの水辺に降り立つ一羽の鳥。
虹色の翼と長い尾羽。
こちらをじっと見つめた後
水面をくちばしでつつくと
波紋が幾重にも広がって
私と鳥はひとつになった。
-理想郷-
10/31/2022, 3:45:58 AM
ジュエリーケースの一番奥。
うさぎのバレリーナのブローチと
黄色の石がついた指輪。
うさぎの耳が折れてしまったのを
パパが接着剤で綺麗に直してくれたっけ。
黄色の石をトパーズだと思い込んで
半ば強引にママから貰ったんだっけ。
どちらもきっと高価なものではないけれど
これからもずっと手放す事はできないだろう。
ふと思い出して眺めては
またそっとケースの奥へしまい込む。
小さい頃に貰った誕生日プレゼント。
-懐かしく思うこと-