─ここにある─
どこにある?
ここにあるよ。大切な宝物。忘れちゃいけないもの。
どこにある?
ここにいるよ。
大切な人。忘れちゃいけない大事な人。思い出したいのになんで思い出せない?
あ、そっか。思い出したくないのかもしれない。ならいっそのこと思い出さなければいいか。
静かな病室で大切な人は聞いた。
「思い出せた?」
少し沈黙してから答えた。
「あー、、はは。思い出せないや。」
大切なものはすぐそこにあるのに。
─Midnight Blue─
深い深い海の底。
そこには1人の人魚がおりました。その人魚はとても愛情深く育てられ親の言いつけで海の上の方へ行ったことがありませんでした。
その人魚は20歳の誕生日と同時に海の上へと泳いでいきました。
そしてその人魚はありえない光景を目にしました。そこは海の底とは違いきれいな青色が広がっていました。
その人魚は歓喜し海の上をずっとずっと泳いでいました。
その人魚は「親の言っていたことは間違っていて海の上は全然危なくない」と思いました。
その人魚は人気者です。とても危ないサメも魚もイルカともみんなと仲良しです。だから怖くないと思っていました。
ですが急に前から大きな網が迫ってきて人魚を捕まえてしまいました。
その人魚は船に乗せられると同時に人間を見て思いました。
あぁ、危なかったのは人間たちなんだな、と。
人魚は海の底とは違うきれいな空色を眺めながら旅に出ましたとさ。
めでたしめでたし。
─なぜ泣くの?と聞かれたから─
ある夏の暑い日俺が公園のベンチで泣いていると保育園の年長ぐらいの男の子が聞いてきた。
真っ直ぐな瞳で俺を見つめながら「なんで泣いてるの?」って。
俺は、悲しいからだよ、と答えた。
そしたら男の子は飴をくれた。
「泣かないで」って。子供に心配かけてどうすんだ、って思って元気なフリしてその男の子とサッカーで遊んだ。なんか気持ちが晴れた気がした。男の子に救われた。小さいのに人を一時的だけど救ってくれるのはすごいと思った。
そして、3日後。男の子にまた会いたくて公園に寄ったら、あの男の子が泣いてた。
今度は俺が聞く番だね。俺は男の子に近づいて聞いた。
「なんで泣いてるの?」
─もしも過去へ行けるなら─
もしも過去へ行けるなら──
僕は─
僕は君を愛せばよかった。大切に出来なかった。守りたかった。こんなのは今更だって分かってるけど、でも、それでも僕は他の人の隣で笑ってる君を見て勝手だけど悲しかった。そんな顔させられなかったなぁ、って。
過去に行ったら次は君をちゃんと愛すから。
だから、
──君は最低だった僕を許してくれますか?
─まだ続く物語─
暗い闇の中から出ると明るい光に包まれた