夕陽の眩しさに目を細める。橙色を背負った君が、スマホを此方に向けて僕の腕を引いた。

今日はもうすぐバイバイだからさ、最後に一枚。

隣同士並んだ僕たちを内カメが捉え、シャッターが切られる。
二人の笑った顔が、まるで楽しかった今日の時間を切り出したみたいに、画面いっぱいに広がっていた。

「時間よ、止まれ」

君の声がする。心の奥から、あの時の、優しくかけてくれた君の声が。だからもう少しだけ、頑張ってみようと思えたよ。

ありがとうだなんて、面と向かって伝えることも受け取ることも何だかこそばゆい。だけどこう見えていつも思っているし想っている。そう思える人達との縁に、今日のところは、心の中でそっとありがとうを。