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5/17/2024, 1:52:57 PM

真夜中ふと、目を開ける。
寝直したほうがいい時間だがあいにく眠気は不思議と無い。無いというのは少しばかり言い過ぎで正確に言えば寝直せるほどの眠気は無い、だ。
頭は眠いのだが目を閉じても何度も寝返りをうって自然と目を開けてしまう。
こんな時どうすれば寝れるのか眠れるまで本を読むなりしたほうが良いのか。だが電気をつけてはそれはそれで眠れなくなりそうだ。スマホなんてご法度だろう。このまま身じろぎを続けていても余計なことを考えそうだ。
実家に住んでる頃は外で木が揺れる音が聞こえたり鳥や蛙の鳴き声が聞こえて自然と眠くなるが一人暮らしを始めてからは自然音はなく時折車の音や飲みの帰りなのか上機嫌そうなひとの声が聞こえてくる。
厳しめの家庭で育った自分にはこんな深夜でも外を歩いている人がいると毎回新鮮に驚いてしまう。何回か自分も夜中に外を出歩こうとも思ったがどうにも勇気が出ない。
それに歩くならやっぱり月明かりでさえ明るく、田んぼからの風が心地良い田舎を歩きたくなる。
人とすれ違う心配のない道で一人きり。風を浴びながら昼間見知った場所でも雰囲気が違う道で一人きり。
そんな想像をしていればいつの間にかまどろみが忍び寄りそのまま眠りについた。