『上手くいかなくたっていい』
なにかと不安が先に立つ
ああなったらどうしよう
こうなったらどうしよう。
と、
目的が違うAとBとCとDがあったとき
いかに効率よく回れるか
目的と場所を比較して組み立てて
無駄のないように動きたい。
予定通りできない自分に腹が立つ。
これが
自分でも持て余す
わたしの二大特性
抱えているのはとても苦しい
なので
これくらいできたからよかったよ
頑張ったけど仕方なかったよね
と、自分を許すことを意識している
こうありたい、という理想を持つことは忘れずに。
『蝶よ花よ』
「多く女児に対し、非常に可愛がり大切にすること」
と、辞書にある
かつては女児だったわたしに
その記憶はない
“お姉ちゃん”でもあったから
むしろ、下のきょうだい達を
うらやましく思っていた
ひとつ覚えているのは
もう女児ではない、高校生の冬休み
同級生に届いた仕分けのアルバイト募集
わたしには案内が来ないまま
あれは両親が隠していたのだと
大人になってから聞いた
理由を説明されたはずだけど覚えていない
それも「大切」の一種だったのか
わからない
『太陽』
小学3・4年のときの担任は
自分のしたい科目の授業を優先する人だった
学年共通のテストで
「まだ習っていないから」
と、光の屈折問題を飛ばすよう指示されたけど
その後、教えてもらった記憶はない
他のクラスが校庭で
黒い下敷きを使って太陽を見ているのを
羨ましく眺めていた
『鐘の音』
文楽と
歌舞伎舞踊にもある
『伊達娘恋緋鹿子』
櫓のお七
恋人を救いたい思いが強すぎて
半鐘を鳴らしてしまう
他に手段を考えることもできず
その後なにが起きて
自分がどうなるのかよりも
肌脱ぎし
髪を振り乱し
取り憑かれたような表情と
人形振りと呼ばれる身体の動き
そんなことしちゃだめ、と
声を掛けたくなるけれど
喉元で息が詰まる
『つまらないことでも』
どこにも行き場のないエピソードを
話す相手に選ばれるのは嬉しい
つまらないことでも
話していいんだと思われるのは
高く評価してもらったと勝手に思っている
それが道で出会った知らないひとでも