8/5/2024, 10:27:41 PM
『鐘の音』
文楽と
歌舞伎舞踊にもある
『伊達娘恋緋鹿子』
櫓のお七
恋人を救いたい思いが強すぎて
半鐘を鳴らしてしまう
他に手段を考えることもできず
その後なにが起きて
自分がどうなるのかよりも
肌脱ぎし
髪を振り乱し
取り憑かれたような表情と
人形振りと呼ばれる身体の動き
そんなことしちゃだめ、と
声を掛けたくなるけれど
喉元で息が詰まる
8/5/2024, 7:28:06 AM
『つまらないことでも』
どこにも行き場のないエピソードを
話す相手に選ばれるのは嬉しい
つまらないことでも
話していいんだと思われるのは
高く評価してもらったと勝手に思っている
それが道で出会った知らないひとでも
8/3/2024, 4:34:19 AM
『病室』
子供服を売っていた当時
子どもしか罹らない肺炎をこじらせたわたしが
入院したのは
昔は結核の専門病院だったと
祖母や伯母たちが
『結核に罹ったのか』と大騒ぎした
二人部屋の窓際をあてがわれ
埋め立てられた海は窓から遠かったけれど
名残の松並木を通る風が心地よかった
8/1/2024, 1:15:01 PM
『明日、もし晴れたら』
今日見かけた小さな子どものように
裸足になって水のあるところを歩きたい
足の裏がなにを、どう感じるのか知りたい
7/31/2024, 2:40:53 PM
『だから、一人でいたい。』
気がつきすぎる、と言われる
道を歩いていて、目の端に映る誰か
あの人、大丈夫かなと気になってしまう
離れた後もしばらく、振り返って目で追ってしまう
ましてや
少しでも関わりを持った人が増えると
その分、気になることが増える
抱えきれない想いが辛い
抱えられないことが辛い
だから、一人でいたい。