─誰かのためになるならば─

｢それで誰かのためになるんだったら｣

これが貴方の口癖でした

その笑顔のまま
僕を置いてゆきました

その笑顔で僕を連れ出してくれました

今度は僕が誰かを救う番です

─鳥かご─

養護施設の窓から
よく鳥を眺めていた

青空が綺麗だった

僕もいつか
自由に道を選べる大人になるんだと
夢を持っていた

─友達─

どう区別をつければいいのか
分からないが

気付けば僕は
ずっと一緒にいる
友達を好きになっていたようだ

─終わりにしよう─

毎日
学校に一緒に行くのも

機嫌とるために会話をするのも

我儘自己中に付き合うのも
今日で終わりだ

私に甘えるのはもうお終い

さぁ、明日で私は友達との縁を切る

罪悪感はない
むしろ自由を掴むようなそんな気分だ

なんて薄情な人間だろ
と思いつつも

楽しみにしてる

─朝、目覚めると泣いていた─

懐かしい匂いがした

トーストが焼ける匂い
懐かしかった

昔、こうして朝ごはんを用意してくれていた
母を思い出す

今は
僕を救ってくれた恩人と暮らしている