じゃない、じゃないじゃないあたしのせいじゃない!
あいつが勝手に落ちていったのよ
あいつが自分で堕ちていったのよ
そうしろなんて言ってない
あたしは何にも頼んでない
足を踏み出したのはあいつよ
なにもかもあいつ自身が決めたことよ
そうよ
あいつが、自分で、堕ちていったのよ
だからあたしに後悔なんて欠片もないし
その必要だって欠片もない
……あたしは何にも、悪くない…!
“後悔”
おっと、礼も名乗りも要りやせん
見たとこそちらさんも旅烏
ほんのいっとき、たまたま止まる枝が同じだっただけのこと
降り掛かった火の粉を払うのに、ちょいと風が強く吹いただけでさぁ
お互い北へ南へ東へ西へ
風の向くまま気の向くままに
肩で風切る一人旅
縁があったら、また顔突き合わすことも御座んしょう
その風が吹くのを、祈っておくとしましょうや
それまでどうぞ息災で
“風に身をまかせ”
ああ、ごめんなさい、
なんだったかしら?
そうそう、あの時の話ね。
あの頃は確か、私はひとりでそこにいたと思うの。
毎日毎日、せいいっぱい頑張って、一所懸命に生きていたわ。多分そう。
それで時々楽しいことがあったり、笑ったり、それで、…しんどかったり、したことも、…あったと思うわ。
ううん、辛いことなんてなかったわ。ただ色々あっただけ。それも大したことなかったんじゃないかしら、もうさほど憶えていないもの。
生きていれば、そんなものよね。
そうね、一人で生きてれば色々あるもの。
あら、一人よ、ずっと一人、…だったと、思う……わ?
だって私、いつも一人だった。
そばに誰かがいたことなんて、
あら、あなた…
ああ、ごめんなさい、
なんだったかしら。
“失われた時間”
雨、降ってきたよ。
傘あるけど要る?
帰るんなら早い方がいいよ、予報じゃどんどん雨足は強くなっていくみたいだし。
まだ小雨のうちに行ったほうがいい。
今ならね、間に合うから。色々ね。
今のうちに帰りなよ。
ねえ、返事は?押し黙ってちゃ分かんないよ?
いつまでそうしているつもり?震えてるくせに。
このまま此処にいるの?此処ね、僕の部屋。完全に僕のテリトリー。
ここに居続ける意味、分かってる?
そこで頷くなんていい度胸だね。
撤回するなら今のうちだよ?
帰らないんなら遠慮しないよ?
まさか子供のままでいられるなんて、思ってないよね?
頷くんだね。
そうだな、でもそれだけじゃ居させてあげられないかな。
ちゃんと言葉にしなくっちゃ。もちろん、君の言葉でね。
さあ、言ってごらん?
そしたら、君の手を取ってあげる。
“子供のままで”
愛しているのよ。
愛しているのに。
傾いていくあたしを見て、あんた笑っているんでしょ。
手を差しのべる振りをして、……抱きとめる気もないくせに!
あたしを受け入れないあんたも世界も、
…なにもかも途絶えてしまえばいい……!!
“愛を叫ぶ”