『もしも未来が見れるなら』
私は高校教員をしていた。
もしも、未来が見れるなら、教え子たちの行く末を見たい。
勿論、本当は私利私欲をフル活用して、競馬の結果やロトの当選番号を見て億万長者に!という欲もある。
しかし、そんな事よりも生徒たちの未来を見たい理由は、卒業生たちからの悩み相談の多さである。
今の若者たちの悩みの深さは深海の様に途方もない。
そんなことぐらいで?
大学辞めたい?
ニートになった?
人間関係が上手くいかない?
友だちができない?
上司が嫌い?
引きこもってしまった?
正直、勘弁してよ。と思うことも多々ある。
そんな彼らの話を、私はベストアンサーも出せずに、ひたすら聴くだけである。
これこそが私の悩みの種である。
壁にぶつかり、乗り越えられるだけの精神力も必要である。
失敗=成長
自分自身を強くするものだと私は信じてきた。
しかし、今の若者はそんなに強く育ってない。
ゆとり教育だか悟り教育の弊害なのかもしれない。
困ったらすぐに親や大人が手を差し伸べてしまう。
勿論、困難にしっかりと向き合い、立ち向かう人もいる。
そんなに軟弱では、社会ではやっていけないことはわかっている。
しかし、もしも未来が見えるなら、そんな人生につまづきそうになっている子を救える可能性がある。
未然に防ぐこともできる。
本当に困りそうになっている子を救うことは、軟弱な人間を作ることにはならないだろう。
その子にとってより良い道に誘うことは、教師の仕事であり、未来を見える人の特権なのだから。
人鳥
『この世界は何色?』
真っ赤な嘘、黄金時代、顔面蒼白、青天の霹靂…
この世には色を使った言い回しがたくさんある。
では、この世界は何色なのだろうか?と、問われれば、とても難しい質問である。
一人ひとりのキャンパスには無限の可能性と、無限のグラデーションがあるはず。
そう、これこそが多様性である。
真っ白な世界に自分だけの色を染めていく。
今日は気持ちが上がらない日だったので黒。
今日は悲しい日だったので青。
今日は最高の一日だったのでレインボー。
毎日変わる自分だけの色。何色だってかまわない。
毎日違ったっていい。
だからこそ、世界は無色でいいのだ。
貴方だけの色に染めよう。
人鳥