お気に入りのティーセットを取り出し、
真夜中ひそやかにお湯を沸かす。
ぐつぐつとだんだん大きくなっていく音に
ぼんやり耳を傾けて、
夜の訪れとあたたかな孤独に身を委ねる。
冷蔵庫からミントの葉を取り出し、
お湯を注ぐとふわりふわりと葉が舞い上がった
真っ白なカップに注ぎ入れ、
静かな夜のぬくもりに浸るのだった
遠くから汽車がやってきました
大きな音を立てて、
だんだん近づいてきます
ものすごい迫力に、野花はざわめき
鳥は飛び立って、少し離れた木から見守っています
そのうち、汽車は遠ざかり
またいつもの静寂が訪れるのでした
春の恋は、坂を駆け上がっていくような恋だと思う
息切れしそうな坂を思いっきり駆け上がって
駆け上がって、駆け上がって
そこから先は、坂ではなく
ゆっくりとしたスロープかもしれないし
階段が続くかもしれない
いきなり下り坂になっているかも、、
とにかく春の恋は先の見えない
急な坂道なのだ
社会人のわたし、
人生のロールモデルを探してるのだが
なかなかみつからない。
幼稚園生のときはプリキュアに憧れ
小学生でアイドルに憧れ
中学生では可愛い高校生に憧れ
高校生では自由な大学生を夢見た
社会人になると、
妥協という言葉がついて回るせいで
嫌になっちゃう
最終的に自分の親みたいになれたら
いいのかな、って。
電車にゆらゆら揺られながら考えていたら
最寄り駅についた
私たちの日常生活は様々な「もの」で溢れている。
そのなかでも、特にいちばん
芸術的だと思うのが、トイレットペーパーだ
トイレットペーパーの
肌を傷つけないようにされた
繊細でしなやかな柔らかさと、
絶妙なしっかりとした吸水力は、すごいなと思う
うなだれながら涙こぼれた夜も、
はじまりの朝も、ひらりとした軽やかさに
思わぬところで癒されている
もういっそのこと春の季語に仲間入りしても
十分なくらいだと思うのだ