めろんぱん

Open App
3/7/2025, 10:24:27 AM

そうそう、あのさ、そういえばね、思い出した。

別に大した話じゃないの、
私もうメニュー決めたから、
ほら、パフェでも選びながら聞いててよ

前に公園でね、
そうあの中央に大きい噴水がある公園なんだけど
あそこの噴水の前でギターの弾き語りしてる人がいたのよ
白いシャツのおじさんよ、ギター持って歌ってたの

たぶん自作の歌だとおもう

私、暇だったからぼーっと聞いてたんだけど、
なんかいい歌だなあっておもって、
しばらくその場から動けなかった

それだけ。
ね、本当に大した話じゃなかったでしょ?
ああ、このイチゴのパフェとか美味しそうじゃない?

3/6/2025, 10:40:54 AM

耳鼻科でもらった花粉症の薬、新しい靴、
焼き鳥6本、それからボールペンの替芯
ちょっと遅れた誕生日プレゼントでバスボムを

全部入った大きなエコバッグを持って
これからお気に入りの珈琲屋さんへ

どれもこれも私の日常を助けてくれるもの
明日の朝を迎えるのがちょっと楽しくなるもの

3/5/2025, 12:50:31 PM

問い合わせをするために
コールセンターに電話をかけているのに、
全然繋がらない。

コール音とともに静かな午後に取り残されていた。

ふと外を見ると、雨が降り出しそうな
真っ黒な雲が迫っていた。
遠くのアパートのベランダで、
急いで洗濯物をしまおうとしている人が見えた。

コール音はまだ続いていた。

3/4/2025, 10:29:56 AM

あるとき、インターフォンが鳴ったので
出てみたら宇宙人が立っていた。

「こちらがお約束のものです。
絶対に幸せになれますよ、保証します。」

宇宙人は、小包を渡して帰っていった。
まさか宇宙人から宗教勧誘される日が来るとは、
と思いながら、とりあえず受け取ってみることにした。

小包を開けてみると、中には絵本が入っていた。
絵本は、見たことない丸い文字で書かかれたもので、
クレヨンのような、あたたかみのある色合いだった。

私はそっと文字をなぞってみた。
すると胸につっかえていた悲しみが、少しだけ消えた。

3/3/2025, 11:47:07 AM

改札を出たら、春の陽気だった。

チューリップの花束を抱えた人が、
颯爽と通り過ぎていった。
そのとき、花びらの1枚がひらりと軽やかに落ちた。

取り残された鮮やかなピンク色の1枚が、
静かにこちらを見上げていた。

Next