3/6/2025, 10:40:54 AM
耳鼻科でもらった花粉症の薬、新しい靴、
焼き鳥6本、それからボールペンの替芯
ちょっと遅れた誕生日プレゼントでバスボムを
全部入った大きなエコバッグを持って
これからお気に入りの珈琲屋さんへ
どれもこれも私の日常を助けてくれるもの
明日の朝を迎えるのがちょっと楽しくなるもの
3/5/2025, 12:50:31 PM
問い合わせをするために
コールセンターに電話をかけているのに、
全然繋がらない。
コール音とともに静かな午後に取り残されていた。
ふと外を見ると、雨が降り出しそうな
真っ黒な雲が迫っていた。
遠くのアパートのベランダで、
急いで洗濯物をしまおうとしている人が見えた。
コール音はまだ続いていた。
3/4/2025, 10:29:56 AM
あるとき、インターフォンが鳴ったので
出てみたら宇宙人が立っていた。
「こちらがお約束のものです。
絶対に幸せになれますよ、保証します。」
宇宙人は、小包を渡して帰っていった。
まさか宇宙人から宗教勧誘される日が来るとは、
と思いながら、とりあえず受け取ってみることにした。
小包を開けてみると、中には絵本が入っていた。
絵本は、見たことない丸い文字で書かかれたもので、
クレヨンのような、あたたかみのある色合いだった。
私はそっと文字をなぞってみた。
すると胸につっかえていた悲しみが、少しだけ消えた。
3/3/2025, 11:47:07 AM
改札を出たら、春の陽気だった。
チューリップの花束を抱えた人が、
颯爽と通り過ぎていった。
そのとき、花びらの1枚がひらりと軽やかに落ちた。
取り残された鮮やかなピンク色の1枚が、
静かにこちらを見上げていた。
3/2/2025, 11:00:33 AM
扉をたたく音
突然鳴り出す着信音
来訪者を知らせるチャイム
かたり、と誰かからの手紙が届く音
世の中は、自分の手では動かせないけれど
布団から顔を出して見えたのは、きれいな青空だった。