彼を乗せた飛行機は
太平洋へと向かっていった
どんどんどんどん小さくなって
消えるみたいに見えなくなった

長い月日の友情に
ほんのり恋がにじんできたところで
いきなり長期留学するなんて
まるで逃げられた気分だよ

帰ってくる頃
あなたも私も
どんなふうになってるのかな

口に出せなかった恋心は
彼を乗せた飛行機が残した
頼りなげな飛行機雲と一緒に
薄い青空に溶けていった

自分でも
そんなことしたくないのにさ

どうしても
その人のことを考えちゃうんです
その人と比べちゃうんです
その人といたとき
どれほど自分が
全力で笑っていたかって
思い出してしまうんです
いつまでもいつまでも
色褪せることなく

この中毒症状の治療法は
どこかにあるのでしょうか

まって
まって
まって

よちよち歩きの頃から
どこへ行くにも
俺の後にくっついて

とろいから
面倒に思ったこともあったな

振り向いて
一生懸命走ってくる君を
待つこともなくなったのは
いつからだったろう

俺の頭の中では
いつまでもあの頃のままだけど
こんなにきれいな
花嫁になったんだな

結婚おめでとう
妹よ
これから兄ちゃんは
後ろから君を見守ることにするよ

知ってるつもりの世界だって
知ってるって思い込んでるだけかもよ

世界はもっと
人間の脳みそを超えて
広くて深くて大きいのかもよ

毎日は今この瞬間から
偉大な冒険にできるのかもよ

手放す勇気
なんて持たなくても
必要のないものは
自然に剥がれ落ちていく

だから大丈夫