うちのおばあちゃんが言うことにゃ
“「夢を描け」って
子どもや若い人が
よく言われることでしょ
でもね
本当に夢を描かなきゃいけないのは
夢を描けなくなってきた
大人のほうなのよ
叶う叶わないは問題じゃないの
年の数だけ夢を描きなさい
そして
年の数だけワクワクしなさい
「叶わなかった」なんて
不貞腐れるヒマもないくらい
ワクワクしてみればいいのよ”
ちっちゃい足が
いっしょうけんめい背伸びして
ちっちゃい手を
いっしょうけんめい伸ばしてる
初めて立ったのは
ついこの間だったような気がするのに
もうそんなことができるようになったんだね
今じたばたしても届かないその棚にだって
あっという間に手が届くようになるんだろうな
そして
あれよあれよといううちに
その棚を越える背丈になるんだろう
だから今
手をばたつかせている小さい後ろ姿を
母はしっかり目に焼き付けておくね
ピカピカのおてんとうさま
僕には
眩し過ぎて
熱過ぎて
気後れしちゃうんだ
でもね
葉っぱが仲介してくれたら
最高なんだ
木漏れ日で本を読む
本の上のまだらの光が
かたちを変えるのを
ずっと眺めてる
葉っぱの間をすり抜けた
やさしい熱は
僕を温めて眠らせるんだ
この歌が流行っていた頃は
君が隣にいたんだった
一緒に出かけた車の中で
よくラジオから流れてた
君は助手席でお菓子食べながら
ご機嫌で鼻歌歌ってた
微妙な音痴をからかうと
ムキになる君が可愛くて
車の中は
この歌と笑い声で溢れてた
いつのまにか
懐かしのヒットソングになったこの歌を
君もどこかで聴いてるのかな
love letter from ばーちゃん
愛が溢れ過ぎて
気合い入れないと
持ち上げられないダンボール
蓋を開ければ
果物だの
地元銘菓だの
特産おかずのパックだの
干物だの
梅干しだの
店開けそうだよ
載っかった手紙を開くと
ばーちゃんちのにおい
“いつでもおいで、待ってるよ”
ありがとばーちゃん
待っててね
俺も愛してるよ