光の回廊
寂しかった。ずっと。
私は“ひとりぼっち”だった。
いつからだろう。
何も見えなくなったのは。
何も聞こえなくなったのは。
暗い 暗い ずっと暗い道を、ただ歩くだけ。
無音 無心 聞こえない音を、ただ聞くだけ。
人の目が、声が、笑顔が。恐ろしかった。
きっと、
他人の顔色伺ってでも、自分を捻じ曲げてでも
人の言うことを聞いていれば、一瞬でも幸せになれる。
後の苦しみなんてどうでもいいから。
今、幸せになりたくて仕方がなかった。
疲れたんだ。無理だった。
私は、こんな世界が憎くて、憎くてたまらない。
ある人に出会った。
その人は、“光”みたいな人だった。
私のように、
人に合わせてやっと生きられる“影”とは違う。
いつだって周りに人がいた。
羨ましかった。欲しかった。妬ましかった。
でも、
私はあの人の“光”のあたたかさに触れてしまった。
妬むことも、憎いと思うことも、
どうでもよくなるくらいに あたたかかった。
私がいつも歩いていた暗い道は、
あの人の光に照らされた。
私は、生きていていいと認められたようで嬉しかった。
それでも私は寂しかった。
あの人を手に入れられないことが悔しかった。
あの人から、必要とされたかった。
あの人の良さに気づいて、嬉しくなって。
私は勝手にあの人を“好き”になって
幸せになれたと勘違いしただけの、1人の人間だった。
私の道に光があっても、私は今も寂しい。
貴方がくれた贈り物は、
いつも形のないものだったね。
貴方が私を悩ませる時間。
私が貴方を想い続ける時間。
苦しくても、
貴方からもらった大切な贈り物だと思ったら
私、幸せだったよ。
でも、何よりも
貴方に出逢えたことが、
私にとっての1番の贈り物だったよ。
冷たい。
赤く染まった指先と、私の息。
朝の静けさのなかに、舞い降りた霜。
嘘ひとつない 素直な白が、
私の朝をいろどった。
朝、
孤独だったはずの空気は、君の白でいっぱいだった。
“ひとりじゃない”
そう言いたいみたいに。
寒いし、冷たい。
なのになぜか、あったかいような気がしたんだ。
朝、深呼吸をすれば、
いつもより
ちょっと笑えるかもしれない。
ちょっと楽しいかもしれない。
ちょっと幸せになれるかもしれない。
ちょっと生きるのが楽しいかもしれない。
ちょっとだけ。ちょっとだけ。
そのちょっとが、私の世界を広げてくれた。
貴方と同じ時を過ごしたかった。
貴方の流れている時間が、
私と違っていた。
歳の差。
そんなことで、世間は“好き”を否定するのか。
許せなかった。
そんなことになるなら、
貴方とこんな形で出会いたくなんかなかった。
もし、神様が私を祝福してくださるのなら、
歳の差なんて忘れて、赤い糸で繋がっていて欲しい。