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光の回廊

寂しかった。ずっと。
私は“ひとりぼっち”だった。

いつからだろう。
何も見えなくなったのは。
何も聞こえなくなったのは。
暗い 暗い ずっと暗い道を、ただ歩くだけ。
無音 無心 聞こえない音を、ただ聞くだけ。

人の目が、声が、笑顔が。恐ろしかった。
きっと、
他人の顔色伺ってでも、自分を捻じ曲げてでも
人の言うことを聞いていれば、一瞬でも幸せになれる。
後の苦しみなんてどうでもいいから。
今、幸せになりたくて仕方がなかった。

疲れたんだ。無理だった。
私は、こんな世界が憎くて、憎くてたまらない。


ある人に出会った。
その人は、“光”みたいな人だった。
私のように、
人に合わせてやっと生きられる“影”とは違う。
いつだって周りに人がいた。
羨ましかった。欲しかった。妬ましかった。

でも、
私はあの人の“光”のあたたかさに触れてしまった。
妬むことも、憎いと思うことも、
どうでもよくなるくらいに あたたかかった。

私がいつも歩いていた暗い道は、
あの人の光に照らされた。
私は、生きていていいと認められたようで嬉しかった。

それでも私は寂しかった。
あの人を手に入れられないことが悔しかった。
あの人から、必要とされたかった。
あの人の良さに気づいて、嬉しくなって。
私は勝手にあの人を“好き”になって
幸せになれたと勘違いしただけの、1人の人間だった。

私の道に光があっても、私は今も寂しい。

12/22/2025, 1:31:28 PM