9/24/2025, 6:06:50 AM
「僕と一緒に」。
どこからか声が聞こえた。辺りを見回しても誰もいない。そんなことが何度か続いた。
ある夜、眠りに落ちて夢を見た。
騎馬に乗る若武者の横を俺は懸命に駆けていた。使命はその武者を守ることだとわかっていた。矢は尽き刀は折れてなお使命は忘れずに、しかし仲間は一人また一人倒れて行く。「僕と一緒に」と振り返る武者。クラス委員長の顔だった。「死んでくれ。」。その瞬間、俺は土に足を取られて転がった。草むらに突っ伏す。その横を敵軍が駆け抜け、やがて、地を這うように歓声が上がった。
後を追う勇気もなく途方に暮れる俺。
目が覚めた。
「僕と一緒に」とまた声が聞こえた。
しかし、それを最後にその言葉を聞くことはなかった。
学校は休みになった。クラス委員長が今朝がたマンションから飛び降りたからだった。