とぷん、とぷん。
濃いミルクの海に沈んでく
どろり、どろり。
溶けたキャラメルに埋もれてく
じゅく、じゅく。
熟れた苺みたいにこぼれ落ちてく
ぽたり、ぽたり。
目から溢れた感情をあなたが拾って、
ぐるり、ぐるり。
あなたのことだけが巡って、
あなたのくれた幸せを消費して、
わたしのこころは生きているの
あなたの言葉は私の心を強く揺さぶる
あなたが魂を燃やして紡ぐ言葉
あなたが命を削って作り出す音
そのどれもが、あなたの生きた証
どうか、命まで燃やしてしまわないで
死んでもいいなんて思わないで
冷えたあなたの手になんて縋りたくないの
かぎ針をそーっと動かす
貴女にじーっと見つめられながら
編み上がったそれを、
あんまりにも嬉しそうに持つので、
愛らしくて、愛しくて。
仕上げに紺色のリボンを結んで、
貴女の頭にそっと乗せるのです。
うと、うと。
瞼を閉じて、考えます。
揺られながら、考えます。
うつら、うつら。
瞬きをいつもより多めに。
瞬きの間に、考えます。
こくり、こくり。
肩を寄せ合って。
頭を預けて、目を閉じます。
起きた先が、どんな場所でも
貴方がいるなら、
まあ、なんとかなるでしょう
こん、こん。
ぱき
たまごのなかに入ってしまった破片
ぱち、ぱち。
じゅぅ
はねる油と少しこげた端っこ
ざく、ざく。
じゅわり
溢れた旨味とわずかに味が濃い衣
たくさんのしっぱいをしたけれど、
貴方と作って食べるから、
いつもよりずっと美味しいね