優しさ
やさしい、ってなんだろう。
考えてみた。
やってみた。
まずその1、
泣いている人がいたら声を掛ける。
大丈夫?
…………
ねえ、大丈夫?
…………
声も出ないくらい悲しいことがあったんだね。
大丈夫だよ、私は味方だよ。
………ぃ
ん?どうしたの?
うるさいよ!さっきから、うるさいの!どっかいって!ひとりにして!ほっといてっていうのがなんでわかんないの!?うざい!!
シミュレーション終了。
私は優しくできていたかな?
特別な夜
サラサラの雪が降る。
視界が少しくすんでる。
名前を呼ばれた気がして、
真っ赤な帽子が目に刺さる。
シャラン、シャランと
涼やかな鈴の音。
真っ白な世界に
ふわり、
漂う魂。
もう、さみしくないね
海の底
口にいれると、ジュワぁっと味が溢れてくる。
旨い。そうとしか言いようがないくらいに、旨い。
「お気に召されましたか?"王子"」
「ああ、毎日でも食べたいくらいだよ、この……」
『海の肉』
──────
どうして
しん…と教室が静まりかえる。
皆は僕らを見ていた。
「いっ……」
机にぶつかりながら崩れ落ちた彼奴
僕の手には開かれたハサミ。
「…………」
誰も彼もがこっちを見る。
ガラッと先生が入ってきて
みんなを見て、僕を見て、彼奴を見る。
「な、なにやってるんだ!」
乱暴に教室の壁に追いやられる。
ガシッと肩を掴まれてイタイ。
僕の手からハサミが落ちる。
その音を皮切りに
みんなが恐怖を示し始める。
「だ、だいじょうぶ…?」
「いてぇ…マジ痛えんだけど、血が、」
ざわざわと彼奴の方に群がる。
コッチには見向きもしない。
腕から血を流す彼奴を見て
殴られたお腹が、絞められた首が
当時の痛みを思い出していく。
どうしてみんな
そっちにいくの?
僕を見る目は何でかみんな、冷たかった。
夢を見てたい
ジリジリと肌を焼く。
直接肌に映る赤色。
焦げ臭いし、汗で体がベトベトだ。
息もしづらい。
眩しくて目を開けてられない。
ああ
くるしいあつい
煙が目に染みる
ゆめをみる
みんなぼくをみる
わらってる
ぼくもわらう
みんなわらう
ぼくもわらう
自我を持った赤い光
じわりじわりとカーペットを焼いている。
はながいっぱい
きれいなはな
みんなつばさをもっている
だれ?
だれ?
だれ?
どこが
僕の理想?