M.IZRY−深刻なエラーは治らないようです。

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7/15/2023, 1:04:10 PM

終わりにしよう


「ね、別れよ」

ポツリと
テレビを見ながら、まるで独り言のように

「じぶんさ、結構、考えたんだよ」

もうすぐ終わりの近いバラエティ番組を聞きながら
隣りに座った其の人を盗み見る

「急、でもないんだよ」

じっと、まだ若い芸人が弄られている様を観ながら

「やっぱ、間違い、だったと思う、から」

声だけ聴けば、泣きそうで、可哀想だと思うぐらいに
声が震えている。

「別れよう、ほんの少し、時間が必要だ」

其の人の顔は有り得ない程に無表情で凍てついてて
感情なんて母親のお腹に忘れてきたかの様だった

「ね、もう、終わろう。」

こちらを、振り向く。

「終わりにしよう」

7/10/2023, 11:05:23 AM

目が覚めると

途端に真白な刺激が眼ん中に突き刺さった
頭はズキンズキンと鳴っている
ツンとした病院の消毒の臭い
周囲からくぐもった話し声が聴こえてくる
そこで俺は耳に包帯が有るのに気付いた
其処だけじゃなく身体中
ぐるぐるぐると巻かれている
何があったのか
未だ真白な刺激が遺る眼で
どうにか話している奴共を一目見ようと
肘から先が失くなった腕で
身体を起こした

7/9/2023, 2:22:23 AM

街の灯り

所々洋装をした人々が行き交う
街灯に降り積もる雪は
ほんのりと灯を反射する
客寄せの声が飛び交う祭の夜
広場では神輿を担ぐ屈強な男共
星の様な雑沓に身を置いて
街の灯と喧騒を楽しむ

7/7/2023, 6:23:06 AM

友達の思い出

毎日挨拶して
毎日一緒にお昼を食べて
毎日欠かさず通話して
偶に部活の愚痴を言って
ずっと続くと思っていた日常
一言
たった一言
君の一言
僕からの返事を待っている君の瞳は
熱を帯びて
違う僕を見ていた

友達だった僕の思い出
いつまでも
靴で踏んだガムみたいにくっついて
なかなか離れてくれない

7/5/2023, 7:53:50 AM

神様だけが知っている

縁だとか運だとか
そんな“偶然”という便利な詞で
括られる人生
ただ捻くれているだけかもしれないけど
今この景色に巡り合ったのは
ホントはただ“必然”だったから
なんて思っちゃう

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