もしも未来を見れるなら
現在と過去と未来は全て同時に存在している。
どっかの凄い人が言った言葉。
意味はよく分からなかったけど
多分どっかの誰かには響いたんだろうな
とは思った。
自分はタイムマシンがいつ造られるのか
それだけが待ち遠しかった。
もし未来や過去に自由に出入り出来るなら
過去の自分にはアドバイスをして
未来の自分には、何をしてもらおう。
無難にこれから起こること?
でも、もし本当に未来を覗けるなら
自分が生きてるかどうかだけ確認できたらいいかな。
もしかしたら、未来の自分に起きたことが
今の自分に起こらないかもしれないからね。
無色の世界
生まれついての全盲だった。
いつも周りに迷惑ばかりかけている気がして
友達を作れなかった。
最初に話しかけてくれたのはむこうだった。
いつからか、話しかけてくれる人が減った。
最期まで一緒にいてくれたのは
一番最初に話しかけてくれた人だった。
本当に輪廻転生があるなら、
もういっかいこの人の近くに生まれて
目も見える状態で
今度は自分があの人を救いたい。
色のない世界に
擬似的な色に染めてくれた人。
桜散る
可憐に咲いた桜だって
春が過ぎれば跡形もなく散っていく。
それでも、また春がやってくると
可憐に咲き始める。
終わるから始まる。
始まるから終わる。
終わらない自分はどうやって始まればいい?
始まらない自分はどうやって終わればいい?
窓の外から見える桜は
淡く、可憐に
力強く咲き誇っていた。
ここではない、どこかで
幼馴染がいる。
目が大きくて、よく通る声をしている。
産まれる前からのつきあいなんだよって親から言われた。
幼稚園も、小学校も中学校も同じだった。
どっちが早くゲームを全クリできるか勝負したり
たまに一緒にバカやったり
いつからか分からないけど
いつの間にか、目で追うようになった。
漫画とかでこういうの見て、
こんなのフィクションだろうと思ってた。
寄りにもよってアイツに。
高校になって、幼馴染は
山形だっけ、遠い高校に行くことになった。
中学の卒業式
告白された。
その時何言ったのか全然覚えてない。
こわかった。
ただそれだけ。
アイツはもう山形らへんに引っ越した。
どう答えたのか覚えていない。
俺もいつか、ここじゃないどっかで生きるんだろうな。
ずっと、この思いを抱えながら。
届かぬ思い
私は歌ってる。
みんなが作ってくれた曲を、拙いけれど一生懸命に歌う。
みんな、私にいろんな歌を歌わせてくれる。
だから私も、感謝の気持を謳いたい。
でも、うまく声が出ないの。
無機質な声。
みんなが私を作ってくれた。
いろんな私がいる。
私のナカマもいっぱい作ってくれた。
「ありがとう。」
声に出したいけど、聞いてほしいけど、
私のオモイは届かないの。
私のセカイにみんなはいないの。
それでも、歌うの。
届いたらいいなって想いながら。