『夢を見てたい』
必要以上に職場を動き回った。先輩や後輩、同期の手伝いもした。自分勝手なお客に丁寧な接客をした。家に着く頃にはヘトヘトになって玄関で寝てしまいそうなほど疲れきっている時がある。
こういう時は、せめて楽しい夢を見てたい気持ちで眠りにつく。夢を見ない方が眠りは深くなるらしいけれど、僕はどっちかというと楽しい夢からいつだって見ていたい。
______やまとゆう
『ずっとこのまま』
ずっとこのままくっついていたい。ずっとこのままこの関係でいたい。ずっとこのまま同じ時間が続く気がする。私はこの人となら絶対大丈夫。
そうやって思っているのに、心の中では終わりの時間が近づくことを恐れてしまう自分がいる。
______やまとゆう
『寒さが身に染みて』
仕事終わりの帰り道。冷たい風が吹き荒れ、普段よりも寒さが身に染みて急におでんが食べたくなった。
『おでん食べに行かない?』
『俺も今、そうやってLINEしようとしてた』
絶対嘘でしょ。口に出して笑いながら彼にLINEを返すと、彼は5分もしないうちに私の前に現れた。ニヤニヤしている顔につられ、私も顔がニヤニヤした。
______やまとゆう
『20歳』
20歳の10年前の自分へ。
腹が出たりヒゲが濃くなったり白髪がちょろんと出てたりすることが増えたが、嫌いだった椎茸が美味いと感じるようになった。演歌の良さが少しずつ分かってきた。理想的な自分になれているかは分からないが、30歳も悪くないぞ。少しの不安と前向きな気持ちを引っ提げて、明日も生きろ。
______やまとゆう
『三日月』
こんなに綺麗に見える三日月を見たのはいつぶりだろう。酔っ払ったまま体を求め合い、互いが好きなアイスを買いに一緒にコンビニへ歩いた。まさかの売り切れでモナカを買い、夜が明けるまで公園でそれを食べながら三日月を眺めていた記憶がある。
それが何年前なのかも分からず、ベロベロに酔っ払っていたのに三日月を見ると、あの頃の記憶が鮮明に蘇る。
______やまとゆう