傘の中の秘密

傘で顔を隠して、前を見ていないふり。
でも、すれ違った時の靴だけで
あなたとわかる。
それが恋だと認めず、過ぎていった。
素直になれなかった中学生のわたし。

雨上がり


仕事を終えて外に出ると
雨上がりの独特なにおいがした。
波紋のない水溜りを見て
雨が止んだと再確認する。
晴れ女で良かったと
緑色のカッパをひろげることなく
家路についた。

勝ち負けなんて


１番になったことはない。
だから、何かにつけて
誰かに負けている。
これからも、誰かに勝って
誰かに負けるのだろう。
でも、闘い続けているかぎり
自分には勝っている。
スゴイぞ、わたし!

まだ続く物語

この闘いには
もう飽きちゃったよ。
そろそろ次の章へ
行こうじゃないか。
新たな出会いがあり
新境地に挑むもよし。
まだまだ続く物語。

そっと包みこんで


布団をかぶり暑くなると、左足を出して体温調節をする。赤ちゃんの頃から、君はそうだった。
朝方になって、布団をそっと掛けなおすと、もぞもぞとミノムシのように包まって、また眠りにつく。
寝顔と寝相は、赤ちゃんの頃から変わらないなぁ。
もう少し、おやすみなさい。