羊と猫の冒険

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9/26/2024, 12:06:42 AM

窓から見える景色


窓の外の景色は流れていて
私のいる部屋は滞っている。
そのせいで空気も淀んでいて
息苦しい。
扇風機をつけて淀みを掻き回すと
窓から秋風が混ざり込んで
息苦しさを薄めてくれた。

窓から見える景色は
トンボが気持ち良さそうに飛んで
青々とした空が広がっていた。

9/23/2024, 5:01:47 PM

ジャングルジム


頭も身体も硬くなった大人は
通り抜けられないし
頭も身体も重くなった大人は
てっぺんまで登れない。
夢をあきらめた大人には
ジャングルジムは登れない。

9/18/2024, 2:14:48 PM

夜景


夜だから暗がりだからこそ
街の明かりがキレイに映える。
明かりがなくては、ただの暗闇。
ただの暗闇は無で不安で恐怖。
明かりがほしい。
この暗闇を夜景にしてほしい。

私の願いをそっちのけに
52ヘルツの鯨が夜海を泳いでいる。

9/16/2024, 12:17:10 PM

空が泣く


心乱れることを嫌い泣かなかった娘が
堰を切ったように泣き出した。

小4の頃の自分がキライだと泣いた。
ママが知らないことがあると
小4の自分を責めて泣いた。

限界を超えて動かない身体に泣いた。
やり直しても同じ選択をすると
だから後悔はないと泣いた。

溜まった感情が空を覆い尽くし
堰を切ったように溢れ出した。

9/14/2024, 2:24:46 AM

乗り継ぎ停留所〜 夜明け前


夜明け前に着いて
ようやく眠りに就く。

明日へ行くのが嫌だと
眠いけど寝たくないと。
そう言って、暗がりの中
ケータイ画面の明かりが
娘の顔を照らす。

娘にとって夜明け前は
しがみついた昨日の終点。
そこで独り降りていく。

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