羊と猫の冒険

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3/20/2024, 12:36:41 AM

胸が高鳴る


金曜日の夕方、家の電話が鳴る。
「月曜日は来ていただかなくて
大丈夫です。次の登校は終業式です。」
心構えして待っていた学校からの電話。
「えっ!進級できたってことですか?!」
追加指導か留年を覚悟していたから
キンコンカンコンと祝福の鐘が高鳴り
ドキドキがドキドキに変わった。
先生の電話の前で泣いて喜んだ。

娘に報告すると
「あっ。良かった。」
心が掻き乱れることを嫌う娘。
平常心を保つために無で居ろうとする。
シャランと喜びの鈴が静かに鳴り
再び眠りについた。

3/18/2024, 12:27:28 PM

不条理


先の大人が創り上げた不条理な社会。
後から大人になっていく子供が
どう足掻こうともびくともしない。
黒く濁った大量の絵の具に
何色をどれだけ足しても無駄なように。
ならばいっそのこと
黒に輝く星になろう。



3/17/2024, 12:15:37 PM

泣かないよ


私はすぐ泣くよ。
感動したり悲しかったり嬉しかったり。
だって涙が出ちゃうんだもん。
ほっといてくれ。泣かせてくれ。
泣くとブッサイクだけど仕方ない。

娘はなかなか泣かないよ。
泣いたらいいのに泣かないよ。
私に何でも話するのに
私にも涙を見せないよ。

あのとき見た、娘の一筋の涙は
それでも溢れてしまった涙だろう。
ゆっくりと頰をつたって
落ちていった。





3/16/2024, 1:07:47 PM

怖がり


何が怖いって
大事な人がいなくなること。
大事な人が悲しむこと。
だからできるだけ見守って
まずは自分がいなくならないこと。
怖がりだから強くなった。
怖がりだから闘った。
怖がりは最強。

3/15/2024, 2:52:03 PM

星が溢れる


夜空に溢れた星は、海に拡がり
水面(みなも)の輝きとなる。
水面の輝きとなった星は
海底に沈み積もり積もる。
積もり積もった星は、星の砂となって
私の手の中に。そして、
私の願いを叶えてくれるだろう。

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