眠りにつく前に
とりあえず、お風呂に入らせた。
髪の毛も乾かさず、夕飯も食べず
力尽きて横になっていた。
今日は珍しく自分で起きてきて
学校にも遅刻せずに行けた。
昼休み時間ギリギリまで食べていた
お弁当も、今日は早く食べ終わった
と笑顔で報告してきた。
当たり前にできていたことが難しく
なってから、またひとつひとつ
できた喜びをかみしめる。
赤子のように健康を願い
幼子のように成長を見守る。
女子高生の娘が眠りにつく前に
風邪引くよと布団をかけた。
永遠に
穏やかな日常がおとずれて
穏やかな日常が続きますように
理想郷
動物らしく、ただ生きたい。
人間はややこし過ぎる。
発展のため進化のため
複雑化した社会と環境は
人間を幸せに導いたのか。
もっとシンプルに生きたい。
懐かしく思うこと
20年も前のこと。
まだ家具もカーテンも何もない部屋。
ここが帰る場所になるんだと
床に座って眺めていたのを思い出す。
二人とも実家暮らしだったから
衣類収納とハンガーパイプ以外
家具も家電も全て購入した。
20年の間に、来客用の和室は子供部屋
になり、ウォークインクローゼットと
化していた5帖の洋室は、私の個室と
なった。
家族の成長と共に、住みやすいように
日々更新されているが、何もないあの
スタートラインを、今でも思い出せる。
もう一つの物語
これまでの人生、自分が思うままに生きてきた。
途中で気が変わったことといえば、子供を産んで母親になったということ。
我が人生を自分メインで生きるつもりでいた。
付き合っていた彼氏がいて、9年経っていたから一緒に住むかってなって、なら結婚するかってなって、そしたら生物学?的に子供産むかってなって。
そんな感じで子供を産むことにしたけれど、いざお腹に赤ちゃんができて、生まれてきてくれたら、なんて大事な存在なんだと愛おしくてたまらなくなった。
もともとの物語は、バリバリやりたい仕事を続けて、自分が主人公の予定だった。
今は子供と自分のために、
もう一つの物語を生きている。