忘れたくても忘れられない
薄れていく記憶と染み付いた記憶。
都合よく記憶されなくて、なんて
面倒くさい生き物かと思う。
全ての記憶がその人を作り上げるが
不要な記憶はその人自身を苦しめる。
ただ苦しめるだけの記憶なんて
要らない。
さっさと忘れさせてください。
やわらかな光
日がな一日、この子は
ひとりで闘っています
ご先祖様に神様にお願いすること
しかできません
どうか、やわらかな温かい光で
暗闇に居るこの子を
やさしく照らしてください
本当の笑顔が見れますように
子供のように
子供のように泣いた
人の人生を左右する事情に絡み
子供の正義感を通す為に
悪事を悪事とすることに
とまどいながら大人(社会人)の
対応をした
安堵と複雑な思いが入り混じり
大人と子供がいる中で
子供のように肩を揺らせ泣いた
放課後
高3のとき、美術の課題を進めるために
友達と放課後居残りをしていた。
イーゼルを廊下に運び出し、まったりと
課題を進めていたところ、トイレに行き
たくなった。
小走りでトイレに向かう途中、知ってい
る男の子に呼び止められた。
「少しいいですか?好きな人いますか?
よければ付き合ってほしいんですが」と
唐突に言われた。
私はトイレに行きたくて「ごめんなさい」
と即答した。
終わった……
男の子の勇気ある告白を、トイレ直前の
切羽詰まった私が台無しにした。
色恋に無頓着だったとはいえ、私って
ヒドイ奴だった。
同じテニス部だったので、放課後の部活
では隣のテニスコートにいた。やはり、
私ってヒドイ奴だった。
ある日の放課後のことである。
カーテン
娘の部屋(和室)の入口は襖ではなく
カーテンだ。
娘の言動に旦那が怒り、襖を殴って
半壊にした。
旦那の言動に私が怒り、襖を蹴って
全壊にした。
そんなこんなで、緑色のカーテンで
閉めている。
風に揺られカギも付いてはいないが
勝手に開けてはならないのである。