バレンタイン
いつも、食べているチョコレート
今日は、自分へのご褒美として
特別にいただく
そして、明日はいつも通り食べる
日常のチョコレートと特別なチョコレート
待ってて
子供のころ、幼なじみの友人と
オリジナル手話をいくつか作って
手話で会話をしていた。
離れていても、大きい声を出さなくても
伝えたいことを伝えられるように。
その一つに、一緒に下校するため
教室前の廊下で待っていると、
ホームルーム中の友人が
『もうちょっと待ってて。ごめん。』
と手話をしてくる。
こっちは『オッケー。待っとく。』と返す。
そんな、自分たちだけの手話で
自分たちの世界を楽しんでいた。
中学生になると、違う部活に入ったのも
あり、それぞれ違う友人が増えていき、
一緒に下校することも、自分たちの
手話で会話することもなくなった。
少しずつ関係も離れていき、お互いの
こともわからなくなっていった。
子供のころとは少し関係が変わったが、
それでも幼なじみは大切な友人に
変わりはない。
伝えたい
一方通行の道のせいで
なかなか思いが伝わらず
アチコチで渋滞していた
渋滞していたせいで
余計イライラしていた
イライラしていたせいで
アチコチで怒号がとんだ
あかんあかん、負の連鎖
私は信号機のように
横で突っ立って見ていた
動けなくてどうすることも
できずにいた
この場所で
本当は、自分で設計した家を建てて
住みたかった
でも、金銭的に実現することはない
だから、今の家が終の住処となるだろう
この場所で子育てし、子供が家を出れば
いつでも帰れる場所として待っていよう
この場所にどっしり根を張り
この場所で自分らしく咲こう
花束
専門学校の卒業式で、花束と旅行券と
皮の名刺入れをもらった。花束と旅行
券は、卒業製作で優秀賞みたいなもの
に選ばれたからだ。
だがしかし、すべてあげてしまった。
花束はお腹の大きいキレイな先生に、
旅行券は友達カップルに、名刺入れは
お父さんに。豪華な花束は、私には似
合わず恥ずかしさもあった。旅行券は、
旅館はタダでも他に交通費も食事代も
かかるから。皮の名刺入れはとても格
好良く、お父さんが喜んでくれたから。
あれが人生初めての花束だったな。
次は結婚式で、その次は退職した日。
人生の節目に、祝福の花束が。
次は……娘の結婚式で、
ご両親に感謝の花束かっ!?