君に会いたくて
君は、お腹の中をいつ覗いても座った姿で
いて、ときどき私の下腹部を蹴っていた。
逆子が戻らず帝王切開と決まり、切迫早産
だったため、予定日より3週ほど早く手術
となった。
早く会いたい気持ちと、安全なお腹の中で
できるだけ大きく育てたいとの思いが入り
交じった。
外の世界に出てきた君は、寝ていたのか泣
き声が聞こえず心配した。
思っていたより、お腹の中で大きく育って
いたので安心した。
君に会えて、もうすぐ16年になる。
生まれてきてくれて、ありがとう。
私をママにしてくれて、ありがとう。
閉ざされた日記
20代のころ、感情を畳んでしまい込む日記を
気まぐれにつけていた。
だいたいが仕事場の愚痴と彼氏(今の旦那)の
愚痴。あとは自分へのダメ出し。
閉ざされた場所では、どうしても負の感情ば
かりが出がちで、スッキリもせず淀んでいる。
この『書く習慣』の少し開かれた場所だと、
多少の人の目を気にして少しポジティブにも
なれ、与えられたお題を通して、人様の様々
な感情とともに流れ出る。丁度よい日記だ。
木枯らし
知り合いのお子さんの友人が
交通事故で亡くなった。
近しい関係ではなくとも
とても悲しい。
あちこちで、季節外れの
木枯らしが吹き付けた。
美しい
私の名前には『美』がつく。
名前の漢字を伝えるときに、
「美しいの美です」と言う。
『美』がつく名前の人は多いのに、
私は「美しいの美」と伝えるのが、
恥ずかしく思っていた時期がある。
自分で言うか!? みたいな、
変なツッコミを入れていた。
変なところを恥ずかしがる変なヤツだった。
そんな私だが、我が子の名前には
思いきった名前をつけた。
「その名前で、可愛く育たなかったら
どうするん!?名前負けやん!?」みたいな名前。
失礼なことを友達は言う。だが、
ちゃんと可愛く育ったので、ヨシとしよう。
この世界は
この世界は、広すぎて見えないし
知らないことだらけ
頑張って80歳まで生きたとしても
長い歴史の80年分だけだし
たぶん外国にも行かないし
大阪府から出る予定もなし
私の世界は狭く、井の中の蛙だとしても
この中で精一杯もがき生きたおす